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そろそろ1クラス上のイヤフォンはいかが?――バイヤーズガイド2014年“春”(実売1万円〜2万円編)3匹が聴く!(2/3 ページ)

» 2014年03月10日 20時29分 公開
[ITmedia]
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ダイナミックモーション(サエク) 「DM008」

 振動板のODMメーカーとして30年以上の実績を持つ韓国Dynamic Motionが投入した初の自社ブランド製品。「Power Dynamic Driver」と呼ばれる独自の振動板は、外周部にリング状のネオジウムマグネットを配置するというユニークな構造で、8ミリ径ながら一般的な10ミリ径ドライバーよりも大きなマグネットを使用できるというのがメリットだ。

ダイナミックモーション「DM008」

 また、製品開発にあたっては、国内販売元のサエクコマースが全面協力。国内のオーディオ評論家が音質チューニングに参加するなど、日本人のニーズに合わせて音に仕上げたという。「L」と「R」を大きく図案化したハウジングのデザインもユニークだが、はたして3人の評価は?

野村 ☆☆☆☆

解像度はそれほど高くないものの、聴きやすいサウンドがとにかく魅力的で、ずっと聴いてられる。ピークを徹底的に排除しているのか、思わず8時間ぐらい聴き続けてしまった。デザインは好みの分かれるところか。


坂井 ☆☆☆☆

ハウジングには大きくLとRが描かれていて、オシャレとダサさの中間。スノーホワイトバージョンの方が絶対女性にはウケがいいはず。音に関してはピアノ曲などもしっかりと鳴らしてくれて、質が高いだけに惜しい。


滝田 ☆☆☆☆

ハウジングに堂々と描かれたLとRがファニー。見た目から最初どうせいい音なんて…と期待値が低かった分、そのサウンドクオリティーの高さに驚かされる。長時間聴いていても疲れなさそうなまろやかな雰囲気がある。



フォステクス「TE-05」

フォステクス「TE-05」

 スピーカーメーカーとして長い歴史を持つフォステクスが、自社開発のダイナミック型ドライバー1発で勝負した意欲作。製品ラインアップ上は最上位モデルに位置づけられ、アルミ削りだし素材の金属ハウジングや着脱式ケーブルといった特長を持ちながら、定価で1万5000円(税抜き)という価格も意欲的だ。

 男性に受けそうなシックなデザインがいかにもフォステクスっぽいが、果たして女性はどう見るのか?

野村 ☆☆☆☆

ポタアンがあると最大限の能力を引き出せる1本。逆にiPhone直出しでは実力を発揮しきれない印象が強い。音は良い意味で個性的ではなく、クオリティーは高い。試聴機のエージング不足で音場が狭かったが、使い続ければ解決する。


坂井 ☆☆☆

まず気になったのが、音は非常にいいんだけど、窮屈な感じがするところ。原音を余計に誇張することなく、しっかりと鳴らす。フォステクスならではの能力が高さが感じられるだけに、そこを改善すれば、一気に好みのイヤフォンになる予感。


滝田 ☆☆☆☆

非常に生真面目に楽曲を再現している印象。力強い低音から高域まで、スムーズな音のつながりを実現している。アルミ筐体はブラックの落ち着いたイメージで男性ウケしそう。着脱式ケーブルを変えてみたら、さらに音が良くなる予感も。



日立マクセル「MXH-DBA900」

日立マクセル「MXH-DBA900」

 マクセルの「mマーク」入り製品のフラグシップモデル。高音を担当するバランスド・アーマチュア型ドライバーと中低音用のダイナミック型ドライバーによるハイブリッド構成だ。またハウジングにはアルミとABS樹脂を採用。アルミだけでは抑えられない振動をABS樹脂が吸収するという。

 ケーブルは約1.2メートルのY型で、からみにくいフラットコードを採用。抗菌イヤーピース(SS/M/L)やコードキーパーも付属する。

野村 ☆☆☆☆

質感、解像度、Dレンジも十分で、かなりレベルの高い音。音色傾向としてはややおとなしめ、高域がジェントルなイメージがあるので、このあたりは好みが分かれるかもしれない。ポタアンなどとの組み合わせると、まだ伸びるか。


坂井 ☆☆☆☆

BA型とダイナミック型をくっつけたハイブリッドタイプ。音は悪くないが、もう少し個性がほしいところ。形状は多少個性的なので、もっと特長を出す意味で、ボディーをオールアルミ筐体とかにするとかっこいいかもしれない。


滝田 ☆☆☆

音もルックスもいい意味で地味で真面目。音はしっかりと出ているように聞こえるが、どこかばらつきを感じてしまい、集中できない気がする。ただ、BA型とダイナミック型というアプローチは面白いので次にも期待したい。



オーディオテクニカ「IM-02」

オーディオテクニカ「IM-02」

 昨年秋に投入されたオーディオテクニカのモニターイヤフォン。シングルドライバーの「ATH-IM01」から3Way4ドライバーの「ATH-IM04」まで4機種をラインアップしているが、今回は2ドライバーの「IM-02」だ。「ATH-CK9」の後継機と位置づけられている。

 シリーズを通じてハウジングは半透明の樹脂素材なのだが、IM-02は色が濃く、見た目はほぼ黒。デザイン面の評価も気になるところだ。

野村 ☆☆☆☆☆

「ATH-CK9」の正当な後継モデルと位置づけられる1本。その流れをしっかりと受け止めた音を体感させてくれる。ハードロックをしっかりとハードロックにと再現性が高い。グリーンデイなどは一段とノリのいい曲調になる。


坂井 ☆☆☆☆☆

2つのBAドライバーを搭載しているので、ディテールまで細かく聴かせてくれるけど、さらに音楽性もきっちり表現しようとしているイメージ。オーディオテクニカならではの真面目な音作りを着実に体現してくれている。


滝田 ☆☆☆☆☆

低域から中高域まで音を鮮やかに再現してくれる。モニターっぽい優等生な音で、黒いシースルーのボディーは男性にはウケがいいかも。装着した際の耳のフィット感も上々で、いつまでも音楽を聴いていたくなる。



オーディオテクニカ「ATH-CKS1000」

オーディオテクニカ「ATH-CKS1000」

 オーディオテクニカの「ATH-CKS1000」は、2012年秋に発売された「SOLID BASS」のフラグシップモデルだ。発売時は2万円台半ばだったが、現在は 円前後とお買い得感がある。

 ドライバーは、純鉄ヨークを採用した専用設計の13ミリ径ダイナミック型。SOLID BASSならではの2つのチャンバーで低音域を増幅するほか、広がりのある音を生み出すというアコースティックレジスター「デュアルAR」も加えた。凸凹した外観は音質追求による“機能美”といえなくもないが、3人の評価は?

野村 ☆☆☆☆

オーディオテクニカならではの優等生的な音に、なかなかディープでソリッドな重低音を加えた味付けが特長的。ブラックミュージックなどの低音をちょうどいいぐらいで聴かせる。ただし、ハウジングの形状は音優先。やや、やり過ぎ感も。


坂井 ☆☆☆

女性はちょっとこの形だけで、着用するのは辛いかも。音はスマートな低音が特長的で、いわゆるドンシャリ系の派手な感じとは違うながらも、その息吹ぐらいを感じさせてくれる。もう少しおとなしい形状にしたら、手に取りたいかも。


滝田 ☆☆☆☆

聴き疲れしないけど、ちゃんと低音は楽しませてくれる。そのちょうどいい塩梅は意外と求めている層がいるかも。ただ、あまりにも個性的な形状は耳に装着した際に、明らかに人の視線を感じてしまうので、もう少し大人しくしてほしい。



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