東芝は4月14日、4Kテレビ“レグザ”「Z9Xシリーズ」を発表した。84V型から50V型までの4サイズに加え、40V型ながら4Kパネルを搭載した「40J9X」もラインアップ。4Kテレビの幅をさらに広げた。「これまで4Kは大画面向きとしていたが、例えば50V型を見てもらえれば、画素の濃密さで4Kテレビの良さが分かる。 要る、要らないの議論は無意味だ」(テレビの商品企画を担当する東芝の本村裕史氏)。
型番 | 84Z9X | 65Z9X | 58Z9X | 50Z9X | 40J9X |
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画面サイズ/パネル種類 | 84V型IPS | 65V型VA | 58V型VA | 50V型VA | 40V型VA |
画面解像度 | 4K | ||||
バックライト | 高輝度エッジ式バックライト | 直下型広色域高輝度LEDバックライト | |||
映像エンジン | レグザエンジンCEVO 4K | ||||
録画機能(HDD別売) | タイムシフトマシン&タイムシフトマシンプラス1 | W録対応 | |||
HDMI入力 | 4K/60p(4:4:4)対応、HDCP 2.2対応 | ||||
実売想定価格(※) | 180万円(希望小売価格) | 63万円前後 | 43万円前後 | 32万円前後 | 23万円前後 |
発売時期 | 7月中旬 | 5月中旬 | 7月中旬 | ||
Z9X/J9Xシリーズは、1月の「International CES 2014」で公開した“プレミアム4Kテレビ”。本村氏が「持てる高画質技術をすべて導入した」と語る、気合いの入ったモデルだ。
大きなトピックとして、自社開発の直下型LEDバックライトを搭載したことが挙げられる(84V型のみエッジ式)。これにより、「先代Z8Xシリーズの数倍の分割数」という本格的なローカルディミングを実現した(ただし、個々のモデルの分割数は未公開)。LEDモジュール自体も従来機に比べてパワーアップしており、色域は従来比で約30%、輝度も約75%向上させたという。
画素密度の高い4Kパネルではバックライト光の透過率も低下するため、バックライトのパワーアップは必須だ。しかし、白色LEDを単純に明るくすると色域が狭くなる難点があるため、東芝では赤の蛍光体の種類を変えるなどの改良を加えた。これにより、パネルスペックで700nitという高い輝度を実現しつつ、色域も拡大することに成功。「DCI(デジタルシネマ・イニシアティブ)のP3規格を100%カバーすることを狙って作った」と話している(ただし、カバー率は未公開)。
合わせて映像エンジンもパワーアップ。「REGZA ENGINE CEVO 4K」のハードウェア自体は変わらないが、ファームウェアのバージョンアップで新しい液晶パネルとバックライトに対応させた。例えば、放送時に圧縮された色域を再現する「4K広色域復元」は、新たにITU-Rの「BT.2020」――つまり4K/8K(UHD)用に作られた色域も考慮したものになった。BT.2020の色域は広大で、現在の10bit液晶パネルで再現することは不可能だが、「BT.2020の映像が入力されたら、しっかりとマッピングできるように考慮した」(同社)という。
Z8Xシリーズで導入した「最明色」に対するアプローチも進化した。最明色は、物体の色を描く際、“これ以上明るくすると不自然になる”という、物体と反射光の限界値を示す値だ。Z9Xシリーズでは、4K解像度に合わせて見直したという最明色のテーブルを用い、6144項目におよぶ広色域復元データベースを使って自然でリアルな色彩を再現するという。
またLEDのパワーアップに合わせ、ローカルディミング時のピーク輝度も向上。ビデオカメラによって撮影時に圧縮されてしまったハイライト部分の伸びを復元する「ハイダイナミックレンジ復元」にも改良を加え、表現する領域を広げている。
超解像技術では、デジタル放送の信号に含まれるノイズまで復元されてしまう従来のアルゴリズムを改良。画面のエリアごとにノイズの発生を検出し、モスキートノイズに代表されるデジタル放送由来のノイズには超解像処理をかけないようにしている。これにより映像全体の鮮明さが向上するほか、テロップなど文字の視認性もアップするという。
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