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6年ぶりのフラグシップモデル――パイオニアがBDプレーヤー「BDP-LX88」を発表(1/2 ページ)

» 2014年08月27日 13時00分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 パイオニアは8月27日、Blu-ray Discプレーヤーの新製品「BDP-LX88」および「BDP-LX58」を発表した。先月からティーザーサイトで予告していた通り、2008年の「BDP-LX91」以来となるフラグシップモデルの復活だ。それも時代に合わせて機能面をブラッシュアップした。

「BDP-LX88」(左)と「BDP-LX58」(右)

 BDプレーヤーへの再参入についてパイオニアでは、「時代とともにコンテンツの入手・再生方法は変化したが、依然として映像と音声を最良の状態で再生できるメディアはBlu-ray Disc。世にあるコンテンツを最良のクオリティーで再生することはAVメーカーの使命であり、存在理由でもある。日々BDを楽しんでいるユーザーに向け、持てる力を最大限に発揮してBDプレーヤーの集大成を導入することにした」と話している。

「BDP-LX88」

BDプレーヤーのコンセプト(左)と2製品の位置づけ

 製品コンセプトは「とにかくBDを最高の状態で再生すること」。ユニバーサルプレーヤーの市場では多機能モデルも存在するが、今回は基板を増やすものはあえて取り込まず、以前の高級モデルなら常識だったアナログマルチチャンネル出力も「大きなアナログ基板がノイズ源になる」として省いた。「われわれはAVアンプにも力を入れている。マルチチャンネル音声はHDMI伝送し、アンプ側で処理するほうがいい」。

 その代わり、8ch DACのESS「ES9018」を使って4chずつパラレル処理するという、ぜいたくなステレオアナログ出力を用意。バランス出力(XLR3)も搭載し、DLNA 1.5準拠のネットワークオーディオ機能やUSB端子(フロント/リアパネルに1系統ずつ)からハイレゾ音源を高品位に楽しめる環境を整えた。

8chのDACをステレオで使用(左)。アナログ基板(右)

 あわせて新開発の「Precision Audio」を装備。この機能は、音声DAC専用にマスタークロック(水晶発振器)を搭載し、ジッターを抑制しつつ、高品位なアナログ出力を可能にするというものだ。BDやDVD再生時はもちろん、SACD/CD、各種ファイルコンテンツなどでも機能するという。

 筐体(きょうたい)は高剛性と低重心化を徹底した。シャーシ部、天版、内部構造体には分厚い鋼板を用いて全体の剛性を高めるとともに、アルミ製パネルを使って側面を二重構造として筐体内部の振動を抑える。さらに1.6ミリ厚の底面シャーシには3ミリ厚の鋼板を重ねた「レイヤードシャーシ」構造とし、その下には亜鉛ダイキャスト製インシュレーターをおごっている。

頑強なボディー

BDドライブも制振化

 内部は電源およびドライブ・デジタル部をシールドケースで囲い、アナログオーディオ部を含めて3分割。各回路を不要な電気信号から遮断する。またドライブ自も鋼板ケースで包み、専用ベースとの間をゴム製のダンパーで固定するフロート構造とし、ドライブ内で発生する振動を筐体に伝えない。さらに制振性と読み取り精度を向上させるため、シールドケースやトランスカバーには比重の高い塗装を施した。トランスカバーの場合は、銅メッキの上に制振塗装を施すという念の入れようだ。

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