インタビュー
» 2014年12月26日 15時25分 UPDATE

滝田勝紀の「白物家電、スゴイ技術」:“肌への優しさ”という新技術――ブラウンのハイエンドシェーバー「シリーズ9」 (1/3)

ブラウンのハイエンドシェーバーが、8年ぶりにフルモデルチェンジを果たした。深ぞりと肌への優しさを融合したという「シリーズ9」に導入されたスゴイ技術とは?

[滝田勝紀,ITmedia]

 これまで深ぞりという面では定評がありながらも、肌への優しさという面では、ライバルである回転式シェーバーの後塵を拝していた印象のある往復式シェーバー。しかし、ブラウンの最新ハイエンドモデル「シリーズ9」が回転式シェーバーの牙城を崩そうとしている。8年ぶりのフルモデルチェンジに合わせて来日した、同社シェーバーの商品開発担当ヒュルゲン・ホーザー氏に話を聞くことができた。

ts_9series02.jpgts_9series01.jpg ブラウンのハイエンドシェーバー「シリーズ9」(左)。シェーバーの商品開発担当ヒュルゲン・ホーザー氏(右)

 そもそもシェービングによる肌へのダメージは、どういう仕組みで発生するのだろうか? シェーバーを使うときは、シェービングヘッドを肌にこすりつけるようにしてヒゲをカットする。その際、肌の表面がシェーバーの網やトリマーの内側などに入り込むと、内刃がヒゲをカットすると同時に肌とこすれてしまうのだ。何度も往復させるとダメージも大きくなる。

 とはいえ、すべてのヒゲを1度のストロークでそることは難しい。なぜなら、ヒゲは寝ているものもあれば、生えている方向がバラバラであったりするからだ。そうした状態のヒゲを一度に内刃のある場所まで誘導することは非常に困難だった。

 「ヒゲの生え方は個人差があり、クセのあるヒゲはそり残しにつながりやすい。一度のストロークでそり残すと、当然ながら2度3度と何度もストロークを繰り返してしまいます。それは、結果、肌を傷つける行為となるため、ダメージの蓄積につながります」(同氏)。

ts_9series08.jpg そり残しがあるとストロークを繰り返し、肌のダメージも蓄積する

 今回ブラウンは、5年間で合計60人以上のエンジニアと、10の異なる専門分野の科学者で構成されるチームで400以上の部品をまとめあげ、100種類を超えるさまざまなヒゲをどう取り込むかを研究してきたという。その結果として、ヒゲそりにとってもっとも重要な“ヒゲの導入方法”を一新した。

 「深ぞりについては、前作『シリーズ7』でも十分なパフォーマンスを発揮できたと思ってましたが、やはりヒゲを導入するというポイントに関しては、まだ不十分だったと言わざるを得ません。だから、今回のシリーズ9では、肌への優しさを実現するために、いかに1回のストロークで、寝ているヒゲやさまざまな方向に生えているヒゲをすべて取り込むかに最も力を注ぎました。コンセプト段階から製造段階に至るまで、一番難しかったのが、この導入システムを開発することだったといっても過言ではありません」(同氏)。

 シリーズ9では、新たに2つの網刃の間に「極薄リフトアップ刃」および「くせひげキャッチ刃」と呼ばれる2種類のトリマーを配置した。

ts_9series07.jpg 網場に挟まれているのが2つのトリマー。青い部分が「極薄リフトアップ刃」、その隣が「くせひげキャッチ刃」だ

 「シリーズ7は1つのトリマーを高速に振動することで、あらゆる方向に生えているくせヒゲや寝ているヒゲを立ててトリミングする方式を採用していました。8年前は網刃にヒゲを取り込みやすくする世界初の技術として大きな注目を浴びましたが、今回はそのトリミング方法をいちから見直しました」(同氏)。

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