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ハイレゾ対応、超多機能な“リアルモバイル”ポタアン「SoundBlaster E3」をしゃぶり尽くすハイレゾ対応ポタアン検証(1/5 ページ)

» 2015年03月02日 16時33分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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 国内外の多くのメーカーが参入する中、異彩を放つポータブルアンプのラインアップを展開をしているのが、PCユーザーにはお馴染みの「Sound Blaster」シリーズを擁するクリエイティブテクノロジーだ(国内販売はクリエイティブメディア)。ポータブルアンプは、3月現在で「Sound Blaster Eシリーズ」として3製品、およびハイエンドの「Sound Blaster X7」を投入しているが、今回はハイレゾ対応のエントリーモデル「SoundBlaster E3」を取り上げたい。

「Sound Blaster E3」。写真では分かりにくいが、つや消しの濃いグレーとブラックのツートンという渋いカラーリングだ

 「SoundBlaster E3」は、ラインアップ上はミドルレンジに位置しているが、下位モデルの「Sound Blaster E1」はハイレゾ非対応のため、ハイレゾ対応製品としてはエントリークラス。価格も直販サイトで1万1800円(税別)と、ハイレゾ対応DAC搭載製品としては低価格だ。良い意味で価格もエントリーといえる。

 E3は、その外観からして特徴的。約45(短辺)×60.5(長辺)×23(厚み)ミリといたってコンパクトな筐体(きょうたい)は約44グラムとかなり軽く、背面にクリップを装備してポケットなどに固定できる。いわゆるポタアン(ポータブルアンプ)と呼ばれる製品は多くが“持ち運べる”製品だが、移動しながら、つまりモバイル利用を考慮した製品はそう多くない。本機のサイズ感や装備したクリップは明らかにモバイル仕様で、むしろモバイルアンプと呼びたくなる製品だ。パッと見は四角四面だが、側面は直線的に面取りされ、長辺側を下にするとクリップ部が支えになる形で斜めに立てることもできる。前面にマイクも内蔵しているので、外部マイクとして利用する時にこのアングルは便利そうだ。短辺側両側面には入出力端子、長辺側両側面には計6つのボタンを備えている。

「Eシリーズ」ファミリーとの比較。左からE5/E3/E1。厚みを除き、E5が大体iPhone 4/4sのサイズと知っておけばE3のサイズも分かりやすいだろう

側面からの写真。一番右がiPhone 5sだ。クリップ部分も含めるとE3も結構な厚みがある

左側面には2つのミニヘッドフォンジャックが準備され、片方はPC/MacとのUSB接続時にはマイク入力に切替えて利用できる(左)。右側面にはデジタル接続と充電を兼ねるmicroUSBポート、アナログ入力用のミニステレオジャック、上側面には電源ボタン、再生/停止と音声通話のオンフック/オフフックを兼ねるボタンを装備する(右)

背面のクリップは幅が広めで衣服のポケット部分などにしっかりとめられる(左)。付属品はUSBケーブルと4極ステレオミニケーブル。ケーブル部分が赤いのがアクセントだ(右)

 スペックを確認しておくと、USB入力時に利用可能な内蔵DACは最大96KHz/24ビットと同種の製品としては欲ばってはいないが、SN比は112dbを確保。USB接続はWindows PC(Windows Vista以降)、Mac(Mac OS X 10.6.8以降)、iOS7以降のiPhone 5/iPad Air/iPad(第4世代)/iPad mini/iPod touch(第5世代)/iPod nano(第7世代)に対応する。iOS対応製品との接続には付属のUSBホストケーブルと一般的なLightningケーブルで接続が可能で、Apple純正USBカメラアダプターなどは不要だ。なおアナログ入力もサポートしており、シンプルなアナログ入出力のポータブルアンプとしての利用もできる。

付属のUSBホストケーブルと市販では最短クラスのLightningケーブルを組み合わせたところ。この位だとカバンの中などでケーブルがじゃまになったりしない(c)2013 プロジェクトラブライブ!(c)KlabGames (c)bushiroad All Rights Reserved.

 2つのヘッドフォンジャックは、最大600オーム(インピーダンス)のヘッドフォンを駆動可能。またPC/Mac接続時には2つのヘッドフォンジャックの内1つをマイク入力として利用することも可能だ。マイク入力はモノラルながら48KHz/24bitでのA/D変換が行える。

 電源として850mAhのリチウムポリマー充電池を内蔵しており、アナログ入力時で約17時間の連続駆動が可能だ。iPhoneとの接続時は(iPhone側から)給電されない仕組みだが、筆者が日常的に1日3〜4時間程度使用した範囲では、2日は余裕で持った。充電はデジタル入力を兼ねるMicroUSB端子を介して行うが、付属品はケーブルのみで、ACアダプターなどは同梱(どうこん)されていない。入力は500mA/5ボルトとなっており、PCなどのUSBポートから問題なく充電が可能だ。もちろん市販のUSB充電用アダプターもほとんどが利用できるだろう。

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