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» 2015年03月13日 17時44分 UPDATE

麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」:これぞ高画質&高音質のBlu-ray Disc、第7回DEGジャパン・アワード”(後編) (1/2)

前編に続き、「第7回DEGジャパン・アワード/ブルーレイ大賞」の審査委員長を務めたAV評論家・麻倉怜士氏に各賞の評価ポイントや審査の裏話を聞いていこう。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 前編に続き、「第7回DEGジャパン・アワード/ブルーレイ大賞」の審査委員長を務めたAV評論家・麻倉怜士氏に各賞の評価ポイントや審査の裏話を聞いていこう。

ベスト高画質賞・ライブエンターテイメント部門

「ももクロ春の一大事 2014 国立競技場大会 NEVER ENDING ADVENTURE 夢の向こうへ」(発売元・販売元:キングレコード株式会社)
  ブラームス:交響曲全集/ティーレマン&シュターツカペレ・ドレスデン(発売元:C major、販売元:株式会社キングインターナショナル)
  ALTIMA/1st LIVE TOUR 2014 ~Mountain Explosion~ at BLITZ (発売元・販売元:ワーナー エンターテイメント ジャパン株式会社)
  The Assorted Horizons (発売元・販売元:株式会社ポニーキャニオン)
ts_enmadeg02.jpg 「ももクロ春の一大事 2014 国立競技場大会 NEVER ENDING ADVENTURE 夢の向こうへ」

麻倉氏: ライブ作品については、これまでジャンル分けが少し曖昧(あいまい)だったため、今年から「ライブエンターテイメント部門」が設けられました。ビデオ作品の画質を評価しました。入賞した4作品の中では、圧倒的に「ももクロ春の一大事2014 国立競技場大会」が強かったですね。対抗は「ブラームス:交響曲全集」で、こちらもクラシック作品としては良い映像でしたが、残念なながら交響曲の第1番と第3番はNHKホールで、そのほかはドイツのドレスデンで撮影されたため、全体としての統一感に欠けていました。映像もNHKは階調感が豊かでしたが、ドイツで撮影した部分はコントラストを強調し、どっしりした“ブラームスの低音”を表現している印象です。もちろん、決してどちらが悪いというわけではありません。やはり、1つの作品として考えたときに統一性が問題だったのです。

 ももクロのライブ作品は、これまでも何度か入賞していましたが、部門賞を獲得したことはありませんでした(ユーザー大賞はあり)。今回の作品は、ももクロのライブパフォーマンスを余すことなくカメラで切り取ったタイトル。衣装のきらめき、全景の迫力など、どこをとってもライブ感あふれる素晴らしい映像です。また、ライブ映像には相応の演出も必要で、現場で見るのとはまた違った感動があるものです。この作品はその点も優れていて、行かなかった人もあたかもその場にいるような印象を受けるでしょう。パッケージも素晴らしく、メンバーのメッセージカードが入っていたりと工夫されたものでした。

ベスト高画質賞・アニメ部門(洋)

アナと雪の女王 (発売元・販売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社)
  怪盗グルーのミニオン危機一発(発売元・販売元:株式会社 NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン合同会社)
  メアリーと秘密の王国3枚組ブルーレイ&DVD(初回生産限定)(発売元・販売元:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン株式会社)
ts_enmadeg01.jpg 「アナと雪の女王」

麻倉氏: アニメ部門(洋)は、ディズニーの「アナと雪の女王」、NBCユニバーサルの「怪盗グルーのミニオン危機一発」、20世紀フォックスの「メアリーと秘密の王国」が入賞しました。その中で、やはりアナ雪が圧倒的でした。

 この部門では映像のクオリティーそのものが問われるわけですが、アナ雪は映像美が素晴らしく、氷のシーンは芸術的ともいえる作画と質感を見せてくれます。チャプター5の「Let it Go」では、ドレス姿が床に映り込んむさまには圧倒されます。映像としての水準がとても高い。CGの作画、そしてBDへ至るクオリティー管理も高水準といえるでしょう。

ベスト高画質賞・アニメ部門(邦)

SHORT PEACE (発売元・販売元:バンダイビジュアル株式会社)
  風立ちぬ (発売元・販売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社)
  劇場版 魔法少女まどか☆マギカ(新編)叛逆の物語(発売元:株式会社アニプレックス、販売元:株式会社ソニー・ミュージックマーケティング)
ts_enmadeg07.jpg 「SHORT PEACE」

麻倉氏: アニメ部門(邦)では、スタジオジブリの「風立ちぬ」(発売・販売元はウォルト・ディズニー・ジャパン)と大友克洋さんの「SHORT PEACE」が競りました。いずれも良い作品で、選ぶのに苦労しました。これも審査員の第1回投票ではどちらも過半数に達せず、3回目までもつれ込みました。

 「風立ちぬ」は、さすが宮崎駿監督の渾身の作品で、パステル調で薄味ですがクリアでヌケのいい画調と作画が高く評価されました。一方の「SHORT PEACE」は、「日本」をテーマにした4編の短編アニメで構成されるオムニバス形式ですが、中でも「九十九」の画質が圧倒的に素晴らしかったです。SHORT PEACEもパナソニックのMGVCが採用されているのですが、審査の視聴環境はパイオニアのBDプレーヤーだったので、MGVC本体の12bit映像は見ていません。それでも色の階調感など、絶句するような素晴らしさでした。

 「九十九」は、山の上にあるお堂で、侍が妖怪の傘を直してあげるという話なのですが、寂れたお堂の映像から極彩色に変わるダイナミックさがすばらしく、暖色系に切り替わった色の世界は豪華絢爛(けんらん)。この対照性も高く評価されたポイントです。

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