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» 2015年07月13日 12時52分 UPDATE

潮晴男の「旬感オーディオ」:復活した往年の名ブランド“REVOX”――「Re: sound S」シリーズを聴き比べ (1/2)

1970年代、オープンリールのテープレコーダーを何とか手にしたいと頑張った人も多いはず。その往年の名ブランド、REVOX(ルボックス)が復活した。今回はスピーカー5製品を一気に試聴していこう。

[潮晴男,ITmedia]

 往年の名ブランド、REVOX(ルボックス)が復活した。正確には今年の3月からルボックス・ブランドのスピーカーが日本にも輸入されることになったのである。古くからのオーディオファンならルボックスの名前を聞いて「懐かしいなぁ」と思う人もいることだろう。アナログ全盛の1970年代、ルボックスが送り出すオープンリールのテープレコーダーは垂涎(すいぜん)の的、何とか手にしたいと頑張った人も多いはずだ。残念ながらこのテープレコーダーがぼくのリスニングルームにやってくることはなかったが、憧れの製品だったことはいうまでもない。

ts_revox08.jpg 1968年には伝説的なテープレコーダー「Revox A77」が誕生する。FMチューナーとアンプを加えられたHi-Fiシステムだった(出典:ルボックス日本オフィシャルサイト)

 ルボックスは1951年、スイス最大の都市チューリッヒで誕生したオーディオメーカーである。母体がプロ用レコーディング機器を製作するスチューダーだったことから、ルボックスも当初はホーム用のテープレコーダーの開発が主なものだった。従ってそのティストには共通する部分もあったように思う。

 その後アンプ、スピーカー、そしてCD時代を迎えCDプレーヤーが彼らのラインアップに加わる。しかしながら一時輸入元が途絶えていたことから、日本でルボックスの姿を見かけることはなくなっていた。M&Aによってスチューダーとルボックスはそれぞれ別の企業の傘下に収まっていたことも影響していたのかもしれない。しかしながらルボックスは新たなる事業体の下、積極的な製品開発を行い、時代に見合った新世代機を作り上げていたのである。

 今回紹介するSシリーズのスピーカーシステムは、まさしく今の彼らを象徴するかのような製品である。極めてスリムなタワー型を筆頭に、ミドルサイズ、コンパクトサイズ、そしてセンタースピーカーとサブウーファまでラインアップし、幅広いユーザー・ニーズに応えるが、いずれもエンクロージャーの外装にアルミ材を用い、おしゃれに仕上げることで、メイド・イン・スイスらしい緻密(ちみつ)な物づくりを具現化したところに特徴がある。このほかにもバッフル面を高硬度の特殊ガラスで仕上げた「Gシリーズ」を加えて多彩なラインアップで臨んでいる。

ts_revox09.jpg 「Joy」シリーズのネットワークレシーバー「S120」

 そしてこれらのスピーカーはルボックスが「Joy」シリーズとしてリリースするクラスD増幅のパワーアンプを内蔵したネットワークレシーバーと組み合わせることで最適なサウンドが得られる工夫もなされている。そのためにネットワークレシーバにはそれぞれのスピーカーに見合う専用の周波数補正機能を取り入れていることも特徴だ。

 今回はこのSシリーズの中から、「プレステージ」「エレガンス」「コラム」のタワー型3モデルと、「ピッコロ」「キューブ」のキューブ型の2モデルを一気に試聴することができたので、このシリーズに興味をお持ちの読者のために、それぞれのスピーカーの印象をお伝えしたいと思う。

ts_revox01.jpgts_revox02.jpg Sシリーズのトップモデル「プレステージ02」(左)とセカンドモデルの「エレガンス」(右)

 タワー型の3モデルはいずれもガラス製のベースを備え、アルミキャビとのコンビネーションが輝きを与える。キューブ型のモデルはコンパクトだが凝縮感のある作りが心をくすぐる。タワー型のモデルはどれも同じような構成に見えるが、実際にはエンクロージャーに合わせてユニットを選択し、複数個のウーファーを加えてトータルバランスを整えた作りがなされている。多発駆動型のスピーカーの場合、1基のユニットにかかる負担が減るため小口径のウーファーでも比較的ゆったりと鳴る。ルボックスのモデルも例外ではなくタワー型はその恩恵をしっかりとサウンドに反映していた。

ts_revox03.jpgts_revox04.jpg タワー型では一番コンパクトな「コラム03」(左)とキューブタイプの「ピッコロ02」

 それでは各々のモデルについてその詳細に触れてみよう。Sシリーズのトップモデル「プレステージ02」はアラミド繊維の振動板を持つ116ミリ口径のウーファーを4基、同じくアラミド繊維の振動板のミッドレンジとソフトドーム型ツィーターからなる6ユニット3Way構成。セカンドモデルの「エレガンス」はアルミの振動板を持つ90ミリ口径の4基のウーファーと25ミリ口径のアルミのドーム型ツィーターで構成されているが、ウーファーは再生周波数帯域を分けたスタガー動作により、音の厚みを演出する。一番コンパクトな「コラム03」は「エレガンス」と同様のウーファーを2基用いているが、ツィーターの口径は30ミリと若干大きいサイズのユニットを与えてスムーズなつながりになるよう配慮がなされている。キューブタイプの「ピッコロ02」は116ミリ口径の同軸型を、「キューブ」は90ミリ口径のフルレンジユニットが採用されている。

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