コラム
» 2016年04月22日 06時00分 UPDATE

本田雅一のTV Style:世界的な“独り身世帯の急増”で市場が変わる?――GPC&CE Chinaレポート(1) (1/2)

メッセ・ベルリン主催の「Global Press Conference」(GPC)が今年も開催され、GfKなどからいくつかの市場トレンドが示された。中でも興味深かったのが、中産階級人口のグローバル市場における”シフト”である。

[本田雅一,ITmedia]

 300人を超えるテクノロジー系ジャーナリストを集めて開催される「Global Press Conference」(GPC)が今年も開催された。GPCは、かつてドイツおよび欧州域内の家電展示会だったIFAを国際化する過程で生まれた派生イベント(現在は毎年9月に開催される世界最大級の家電展示会)。主催のメッセ・ベルリンは、世界50カ国以上からジャーナリストを集めると共に、gfkのデータを元にした市場トレンド、大手メーカーや新規参加のベンチャー企業などの分析、ジャーナリストを交えたパネルなどで構成する。

ts_gpc01.jpg 「Global Press Conference」では、gfkのデータを元にした市場トレンド、大手メーカーや新規参加のベンチャー企業などの分析などが行われる

 例年、欧州で開催されていたGPCだが、今年は初めてアジア(香港)で開催された。その理由は、欧米先進国を中心とした市場が成熟を極める中、アジア市場が今後のグローバル市場を牽引すると見られていることに加え、新たな製品およびトレンド発信地としての中国に期待している面もある。

 メッセ・ベルリンは4月20日、香港と隣接する中国広東省の深セン市で「CE China」を開催。今後、継続して深センでのイベントを主催していくという。中国での家電イベントでは、カルチャーとしてのテックトレンドの発信源であり、より国際都市として洗練されている上海が選ばれることも少なくない。

 一方、深センには生産パートナーとして世界中のメーカーに製品を提案、出荷している企業が多く、中国国内あるいは業界内でしか知られていない企業も多い。しかし、今後は家電のグローバルブランドが、さらに生産パートナーである中国企業との結びつきを強めた上で発信するための展示会として、深センという場所を選んだようだ。

 メッセ・ベルリンでIFAグローバル統轄本部長を務めるイエンズ・ハイテッカー氏によると、「メーカーと流通業者が出会う場所であるとともに、一般コンシューマーが家電やハイテク機器のメーカーと交流する場」というIFAの特徴(CESなどは基本的に、一般来場者を対象としていない)を上手く生かしたものになっているという。このために、地元流通(SUNING、アリババ、Gomiなど)と一体になって優良顧客を招待しつつ、トレンド発信の場ともなあるCE Chinaを作り上げた。

 さて、CE Chinaに関しては別途、展示会の様子をお伝えしたいが、それに先だって行われたGPCでは、いくつかの市場トレンドが示された。個々の業界、特にディスプレイやテレビを中心とした黒モノやIoTをはじめとする「コネクテッド」デバイスについては、それぞれの分野について掘り下げようと考えているが、もう少し高い視点で見ても興味深いデータがgfkなどから示された。

 中でも興味深かったのが、中産階級人口のグローバル市場における”シフト”である。中国やインド、それに将来のインドネシアなど、人口の多い国における平均収入の向上といった話は、これまでも何度もされてきたが、グローバルで見た中産階級の人口構成比変化はかなり劇的なものになるといわれている。

ts_gpc04.jpg 中産階級人口のグローバル市場における”シフト”

 国連の予測によると現在約73億人の世界人口は、2020年に78億人、2030年に85億人まで増えるという。一方、OECD(経済協力開発機構)によると、中産階級と呼べる一定購買力を持つ人達は、現在の18億人から2020年に32億人に急増。2030年には49億人に達する。世界人口に対する比率は、それぞれ24%から41%、58%にまで増える計算だ。

 こうした中産階級の急増は、主にアジアの都市によってもたらされる。インドのデリー、ムンバイ、中国の上海、北京などがメガシティとして成長し、世界最大都市の東京に近付く一方、ダッカ、カラチ、ラゴスといった都市が、メキシコシティ、サンパウロ、大阪、ニューヨークといった大都市を追い抜いていく。

ts_gpc03.jpg アジアの都市が成長
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