OPPO Digitalのポータブルヘッドフォンアンプ「HA-2」を発売直後に購入して1年以上愛用しているが、最近になってHA-2を再評価したい気持ちがムクムクとわいてきた。きっかけは、9月にも登場するといわれている新しいiPhoneに関する噂、そして「ポケモンGO」だ。偶然なのか分からないが、HA-2はこうした動きを“先取り”したかのような機能を持っている。
既報の通り、新しいiPhoneでは3.5mmイヤフォンジャックがなくなるといわれている。イヤフォンジャックを備えたLightningアダプターが付属するという噂もあるが、少なくともアップルが今後、音声信号に関してはデジタル出力に軸足を移すことは間違いないだろう。これまでもiPhoneの「30ピンDockコネクター」など古いインタフェースをばっさりと切り落としてきた同社だけに、業界内でも既にイヤフォンジャックの消滅は規定路線と捉えられている。
つまり、今後はiPhoneで音楽を聴こうとした場合、Bluetooth接続のワイヤレスタイプを使うか、Lightningで接続する何らかの外部機器を使用する必要が出てくる。ただ、Bluetoothは音声データの圧縮を伴い、iPhoneとは別にイヤフォンを充電する手間もかかる。イヤフォンらしい“サイズと重さ”を目指すなら大きなバッテリーは載せられないため、軽量でスタイリッシュな製品ほど充電の頻度は増えることになる。
一方のLightning接続機器には、大きく分けて2つのタイプが存在する。1つは「HA-2」のようなDAC内蔵ポータブルアンプを介して従来通りのイヤフォンをアナログ接続するタイプ。ハイレゾ音源を含む音楽再生が可能で、お気に入りのイヤフォンを使い続けられる点もメリットだ。バッテリーを内蔵している製品と非搭載のタイプがあり、バッテリー内蔵型はiPhoneとは別に充電する必要はあるものの、長時間の使用が可能。また安定した電源は音質にも寄与する。
バッテリー非搭載のタイプはiPhoneから電力を得るため充電の手間はかからず、小型軽量で扱いやすい。ただし、Lightning経由でiPhoneから接続機器に供給できる電力は平均3.4V/50mA、ピークで100mAと意外に大きく、中でもハイレゾ音源が再生できるタイプは供給電力を上限近くまで使用する。iPhoneのバッテリー使用時間が短くなってしまうのがネックで、音質面もバッテリー内蔵タイプと比べると見劣りするケースが多い。
もう1つ、最近はLightningケーブルの先にイヤフォンを取り付けたような“Lightning直結イヤフォン”も増えてきた。これまではメジャーではなかったが、iPhoneからイヤフォン端子がなくなるという話が広まってにわかに注目を集めている。軽く持ち運びにも適しているが、iPhoneのバッテリー寿命を重視してかハイレゾ音源には非対応というケースが多い。また、iPhoneを充電しているとLightning端子がふさがって音楽を聴くことができないというデメリットもある。
というわけで、音質とバッテリー駆動時間を優先した場合、次期iPhoneと組み合わせるのは“バッテリー内蔵のポタアン”がベストだと思う。ただ、スマートフォンとヘッドフォンアンプの両方を持ち歩くのは、一般の人にはちょっと大げさに見えるかもしれない。このため、今まではHA-2を持っていても積極的に持ち歩くことはせず、オーディオファン以外にすすめることもなかった。
ところが、「ポケモンGO」をプレイし始めてから状況が大きく変わった。
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