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初の家庭用“変形”ロボット「ティプロン」がもたらす快適で怠惰な生活!?(1/3 ページ)

» 2016年12月09日 21時14分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 「変形するロボットですから、3割は“男のロマン”、7割は実用性でできています」――笑みを浮かべながらそう話したのは、コネクテッド・ハードウェアの専業メーカー、cerevo(セレボ)の岩佐琢磨社長だ。同社は12月9日、DLPプロジェクターを搭載した可変型ホームロボット「Tipron」(ティプロン)を正式発表。同日、公式ショッピングサイト「cerevo official store」で予約受付を開始した。

プロジェクターを搭載した可変型ホームロボット「Tipron」(ティプロン)とcerevoの岩佐琢磨社長

 一見、モビルスーツかバルキリーの足っぽいティプロンだが、中には最新のロボット技術が詰め込まれている。2つの駆動輪(と2つの補助輪)で家の中を自律的に移動し、設定した場所に到着すると“変形”を開始。2つの関節をゆっくりと伸ばし、内蔵されていたプロジェクターを持ち上げると、3つめの関節といえるプロジェクター部の向きを合わせて「プロジェクション形態」への変形が完了する。壁や天井に向けて映像やWebニュースを投影している姿は、文句なしの“男のロマン”だ。

移動中のティプロン
変形の様子。ティプロンは左右の駆動輪を個別に動かす2つのモーターに加え、頭を上げたり首を回転させるために計6個のモーターを内蔵している
壁に投影中。「プロジェクション形態」の全高は80cmほど

 「ティプロンは、宅内のあらゆる壁や床、天井をディスプレイに変えることをコンセプトに開発したロボット。自宅の壁や床をディスプレイに変えることは現実的ではありませんが、指定した場所、指定した時間、そして指定したコンテンツを自動的に投影する機能を持つことで、あたかも家中の壁がディスプレイになるような体験を提供します」(同社)

 例えば夜、朝になるとベッドサイドにティプロンがいて、天井にヒーリングムービーを投影し、目覚めの曲を流す。リビングに移動してYahoo!ニュースをチェック。ティプロンが壁にニュース項目を並べてくれる。そして夜にはソファーでくつろぎながらYouTube動画を楽しむ。最初に専用アプリで時間と投影する場所、コンテンツを指定してスケジュールを作っておけば、後は操作する必要はない。同社はこれを「ゼロUI」と呼ぶ。

専用アプリの画面。下のバッドエリアで指を動かすとティプロンは頭の向きを変える

 「朝、スマホのニュースアプリを立ち上げる元気はなくても、目覚めたときにニュースが眼前に表示されていれば楽です。『スマホ操作がこんなに面倒なものだったのか』と思いますよ」と岩佐氏。ティプロンがいれば、そんな未来的で怠惰(たいだ)な生活が実現するのだ。

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