「35mmフィルム換算」に続く、フィルムカメラ時代の呪いシリーズ第2弾は「ISO感度」。
まあ、呪いといっちゃうと言葉が悪いけど、デジカメを使っていると避けて通れない「ISO感度」ももともとはフィルムカメラ時代の用語なのだ。
ISOってのは「国際標準化機構」のこと。まあ、日本工業規格であるJISの国際版みたいなもの。その国際標準化機構が定めた「フィルムの感度」ということで、ISO感度と呼んでいたわけだ。
カメラはフィルムに光を当てて像を作っていたわけだけど、当てる光の量が少ないと暗い写真になり、多すぎると真っ白になってしまう。適正な光の量を当てなきゃいけない。これはデジカメでも一緒。フィルムの代わりにイメージセンサーを使ってるだけ。
どのくらいの光が適正かは、その「感度」によって決まる。感度が低いフィルムは多めの光が必要だし、感度が高いフィルムはその逆。
フィルム毎に「ISO100」とか「ISO200」と感度が決まっていて、それに合わせて当てる光の量(それを露出という)を調節していた。
デジタルの時代になり、フィルムが「イメージセンサー」に変わっただけでやることは一緒。
でも、イメージセンサーはフィルムとは原理が違うので、ISOの規格は使えない。かといって何か基準がないと露出を決められない。
そこでフィルム時代の「ISO感度」を持ってきたわけだ。新しい単位を作っちゃうとフィルムから移行する人が混乱するから。
フィルム時代はISO100がもっともポピュラーだったので、デジカメの世界でもISO100相当の感度を基準とするカメラが主流となった。だから多くのデジカメはISO100をベースにしてる。
でも基本感度が低い小さなイメージセンサーを使ってるスマートフォンにはISO30やISO50をベースにしているものが多い。
イメージセンサーとシャッターだけというもっとも単純な仕組みのカメラを考えてみよう(スマートフォンのカメラがそんな感じだ。余計な機構を入れるスペースがないからね)。
イメージセンサーが受け入れることができる光の量は決まってるので、光を当てる時間(シャッタースピード)で光の量をコントロールする。
晴天下屋外はめちゃ明るいので、シャッタースピードを速くして光を当てる時間を超短くしてやることで、イメージセンサーに当たる光をほどよくしてやる。室内は暗いので、シャッタースピードを遅くして長い時間光を当ててやることで、イメージセンサーに当たる光の量をほどよくしてやる。
同じISO感度でシャッタースピードが速すぎる場合、適正な場合、遅すぎる場合で撮り比べるとこんな感じ。
でも、暗い場所だけどシャッタースピードを速くしたいこともある。
そういうとき、撮影時のISO感度を自在に変更できるというデジタルカメラならではの技を使う。
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