レビュー
» 2017年09月22日 16時17分 公開

これを買えば間違いなし! 20万円以下のおすすめハイレゾギア4選 (1/2)

今回は384kHz/32bit PCMと11.2MHz DSD音源が再生できる最新ハイレゾギアの中から、実際に筆者がテストして感心した製品を紹介しよう。NuForceやOPPOなど4モデルだ。

[山本浩司,ITmedia]

 世の中にこれだけハイレゾ対応オーディオ機器が出回り、さまざまなヒット商品が生まれてはいるが、今なお「ハイレゾってホントに必要なの? 人間の聴覚特性を考えたらCDフォーマットで十分でしょ? 」という声を聞く。

 確かにわれわれは、犬でもなければコウモリでもなく、CDフォーマットの高域限界である20kHz以上の超高域再生能力が必要かという疑問を抱く方がいて当然だろうし、音楽を聞くうえで、16bit量子化によってスペック上保証される96dBのダイナミックレンジで十分過ぎるでしょ? という意見ももっともだと思える。

 実際、いい演奏を上手に録音、ミックスし、まともなマスタリングが施された音楽CDをわが家のオーディオシステムで聞いて、その音質に不満を持ったことは、正直言って、ぼく自身一度もない。

 しかし、犬でもコウモリでもなく、しかも加齢により(現在58歳です)高域音声信号の受容能力が落ちているはずのぼくが聞いて、なるほどハイレゾってすごい、CDフォーマットという器には盛り込めない音楽的なニュアンスは存在すると痛感させられた音源がある。それがオーディオ専門出版社ステレオサウンドから発売されたBD ROM「Hi-Res Reference Check Disc」だ。

ステレオサウンドの「Hi-Res Reference Check Disc」は1万4800円(税込)で販売中。映像は収録されておらず、BDレコーダーなどでは再生できない

 これはサキソフォン、ピアノ、パーカッションのトリオ演奏をそれぞれサンプリング周波数と量子化ビット数を違えた6基のDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)を同時に動作させてスタジオ収録した作品で、収録されたフォーマットはPCM系が44.1kHz/16bit、192kHz/24 bit、384kHz/32bitの3種類、DSD系が2.8MHz/1bit、5.6MHz/1bit、11.2MHz/1bitの3種類だ(DAWは44.1kHz/16bit、192kHz/24bitは『Pro Tools』、384kHz/32bit、2.8MHz/1bit、5.6MHz/1bit、11.2MHz/1bitは『Pyramix』が使用された)。

 録音とミックスを担当したのは、ミキサーズラボの高田英男さん。ビクタースタジオ時代から数々の名録音を手がけてこられたベテラン・エンジニアだ。収録にはノイマン「U67」などのビンテージ・チューブマイクのほか、100kHzまで収音可能なSANKENのダイナミック型マイクロフォンが使用されたという。

 BD ROMに収められたこの音源を自室のオーディオ専用NASのDELA「N1A/2」にコピーし、そのUSB DAC接続機能を用いて、収録フォーマットすべてに対応できる英国Chord(コード)のD/Aコンバーター「DAVE」につないでそれぞれの音を聞いてみた。アンプはドイツOCTAVE(オクターブ)Audioの「JUbilee Pre」と「MRE220」、スピーカーは、米ENIGMAAcoustics(エニグマ・アコースティクス)のスーパーツイーター「Sopranino」を加えたJBLの「K2/S9900」だ。

ChordのD/Aコンバーター「DAVE」

 名手・高田さんが録った作品だけに、CDクオリティーの44.1kHz/16bit PCMの音もすこぶるリアルで、これだけ聞いていると「これ以上の音質がホントに必要?」という気分になる。しかし、サンプリング周波数とビット深度が大きくなるにしたがって、音がスピーカーにまとわりつかなくなり、再生音場の幅と高さと奥行きが拡大していくさまがリアルに実感できるようになるのだ。平たくいえば音楽が一層、立体的に迫ってくるのである。

 とくに384kHz/32bit PCMと11.2MHz/1bit DSDの音はケタ外れに再生空間が広く、演奏者の息づかいまで伝わってきそうな、とてつもなく生々しいサウンドが聞ける。まるでスタジオのコントロールルームでミキシングコンソール出力の音をダイレクトに聞いているかのような臨場感なのである。ハイレゾの魅力、それは音楽の陰影がより深くなり、大好きなミュージシャンが目の前で演奏しているという実感がより生々しく得られるようになることと言い換えてもいいだろう。

 また、384kHz/32bitはエッジの効いた鮮明なサウンド、11.2MHz/1bitはなめらかでつややかなサウンドというふうにPCMとDSDの可聴帯域内のキャラクターの違いが浮き彫りになるのも興味深い。

 これは何も訓練した耳でなければ聞き取れない違いではない。再生システムを吟味し、スピーカーを正しくステレオセッティングし、L/Rスピーカーと等距離になる正三角形の頂点に座って心静かに耳を傾ければ、誰もが分かる音の違いだろうと思う。

 もっともコードのDAVEは150万円という高額な高級オーディオ機器で、誰もが買える製品ではないことも確か。しかし調べてみると、今では20万円以下で384kHz/32bit PCMや11.2MHz/1bit DSDに対応している製品がけっこうな数発売されていることが分かる。しかもそんな手頃な価格の製品でも、音楽ファイルのレゾリューションの拡大による音質向上がはっきりと実感できる製品が存在することが分かった。

 そんなわけで、ここでは20万円以下で384kHz/32bit PCMと11.2MHz/1bit DSD音源が再生できる最先端ハイレゾギアの中から、実際に筆者がテストして感心したモデルを4モデル紹介したい。

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