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これを買えば間違いなし! 20万円以下のおすすめハイレゾギア4選(2/2 ページ)

» 2017年09月22日 16時17分 公開
[山本浩司ITmedia]
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これを買えば間違いなし! 20万円以下のおすすめDAC

 最初にご紹介したいのは、米NuForce(ニューフォース)の「DAC-9」(11万円)だ。DACチップに旭化成エレクトロニクスの最新高性能タイプ「AK4490EQ」を採用し、FPGAを用いてラダー型抵抗を制御する高性能ボリュームを搭載したプリアンプ機能付きのUSB-DACである。横幅235mmのコンパクト・モデルだが、ヘアライン仕上げのフロントパネルは高級感にあふれ、手もとに置いて使う歓びを実感させてくれる製品だ。

米NuForceの「NuPrime DAC-9」

 音質面での魅力は、ボーカルのウォームな質感表現。厚みのある充実した中低域が魅力で、しっかりとした手応えのあるサウンドを聞かせてくれる。

 同ブランドには「STA-9」(9万5000円)と「STA-6」(6万9000円)という手頃な価格でとても音のよいステレオパワーアンプがラインアップされており、本機との組み合わせで最先端ハイレゾファイル再生にふさわしい、すばらしい音を聞くことができる。

「NuPrime STA-9」は出力120W×2のA+D級ステレオアンプ

 STA-9とSTA-6はともにハイスピードでナチュラルな音調を持ち味としており、どちらを選ぶかは再生音量や組み合わせるスピーカーとの関係で決めればよいだろう。20cm口径以上の大型ウーファー搭載機と組み合わせ、大きめの音量で聞きたいという方には兄機のSTA-9をお勧めする。

  2機種目は、カナダSIMAUDIO(シムオーディオ)のMOONブランドから発売された「Neo 230HAD」(17万円)。本機も横幅178mmのたいへんコンパクトな製品で、ヘッドフォンアンプ機能を搭載したUSB-DACである。大ぶりのボリュームノブと曲線をあしらったフロントパネルのシンプルなデザインが好ましい。DACには米ESS Technologyの「ES9018K2M」が採用されている。

SIMAUDIOの「Neo 230HAD」は、USBやS/PDIFなど4つのデジタル入力を持つDAC

 再生音源のレゾリューションの違いをきわめて正直に再現するタイプで、本機で聞く384kHz/32bit PCMと11.2MHz/1bit DSDの音は音場感が広大で、収録スタジオのプレゼンス感を見事に描写する。その実力は値段以上であることは間違いない。ヘッドフォン出力の音も評価が高く、高級ヘッドフォン・リスナーにもお勧めできる製品といっていいだろう。

 3機種目は、音源制作の現場でも使われることの多いRMEの「ADI-2 Pro」(実売20万円前後)だ。本機はA/Dコンバーターやヘッドフォンアンプ機能、ラインプリアンプ機能を持った多機能モデルだが、USB-DACとして使用した場合も実に魅力的なサウンドを聞かせてくれる。PCM入力時に768kHzまでのサンプリング周波数に対応するので、DoP(DSD on PCM)方式でDSD音源に対応するMacでも11.2MHzファイルが再生可能だ。ちなみに32bit PCM音源は、24bitデータに変換されて出力される。

RMEの「ADI-2 Pro」

 虚飾を排した味わいの濃いストレートなサウンドが本機最大の持ち味。いかにもプロ機っぽいその「蛇口全開」サウンドはじつにたくましく、聞き応え十分。音楽と真剣に向き合いたいという方にぜひお勧めしたい製品だ。

 そして最後に挙げたい製品が、米OPPO Digitalの「UDP-205」 (実売20万円前後)だ。本機は7月に本欄で紹介したUltra HD Blu-ray再生可能なユニバーサルプレーヤーだが、ネットワークオーディオ再生機能のほか、USB B端子を用いたUSB-DAC機能、USB A端子を用いたメモリー再生機能による3通りのハイレゾファイル再生が可能。先述の通り、対応レゾリューションに死角はない。

OPPO Digitalの「UDP-205」

 同社には「Sonica DAC」という10万円以下の単体USB-DACがある。この製品も音のよさで人気が高い。UDP-205同様ESS Technologyの最新最高峰DACチップ「ES9038PRO」が搭載されているが、音質をシビアに比較すると、音のスケール感や安定感のある中低域の表現でUDP-205が上回る印象だ。本機はBlu-ray DiscやUHD Blu-rayの再生機能は必要ないという方にも断然お勧めできるハイレゾプレーヤーなのである。

 また、本機には専用操作アプリが用意されているので、ハイレゾファイルを含むすべての音源はスマホやタブレットで端末で操作可能。別途ディスプレイを用意する必要がないのも、ピュアオーディオ・ファンにとってありがたいポイントだろう。

 しかし、つい2〜3年前には20万円以下で384kHz/32bit PCMや11.2MHz/1bit DSDが再生できる製品がほとんど存在していなかったことを考えると、隔世の感を禁じ得ない。いままさにこれらの製品は買い時のハイレゾギアといっていいだろう。

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