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4K動画に対応した“カジュアル全天球カメラ”、リコー「THETA V」の実力は?(2/4 ページ)

» 2017年11月13日 17時38分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 THETA Vはミニマムなデザインのため、ボディもシンプル。メモリは内蔵のみで約19GB。バッテリーはリチウムイオンで底面のmicroUSB端子から給電する。

 側面に電源、無線LAN、静止画・動画切替の3つのボタンがあり、背面にシャッターボタンがある。それだけである。

 撮り方は2つ。

 1つは手に持って「ピュッ」と撮る(いやほんとにこんなシャッター音なのだ)。

片手でピュッと撮れる。フォーカスも絞り値も固定なので細かい事は気にせずシャッターを押すべし

 これだと手軽だが、撮影後にスマホに転送する手間がかかるし、自分の手が映り込んじゃう。

 お勧めはスマホとWi-Fi接続してのリモート撮影。

Wi-Fiで接続するとライブビューを見ながら撮影できる。これが一番お勧め

 リモート撮影だとライブビューを見ながら撮れるし、露出補正や各種撮影モードも駆使できる。

 基本的にフルオートで撮るとき以外はWi-Fiを使え、だ。

 もう1つ大事なのは、内部にジャイロセンサーと電子水準器を持ってて、THETAがどんな向きでのしっかり水平を撮ってくれること。この精度は前モデルより上がった。

 だからこんな風に横を向いていても。

マグネット付きのゴリラポッドを使って鉄製の遊具に横向きでつけてみた

 こんな風に一脚(あるいは自撮り棒など)につけてぐいっと差し出して撮っても問題なしである。

ベルボン製のトラベル用一脚を伸ばして展望台から差し出してみた

 さて、スマートフォンとWi-Fiで接続し、撮影したら自動的にスマートフォンへ転送する設定にしたとしよう。

 撮影するとまずカメラ内で画像合成が行われて1枚のJPEG画像が生成され、それがWi-Fiを通して転送される。

 THETA Vはこの一連の動作がめちゃ速くなった。

前述のスマホとTHETAを同時に撮った写真だが、それをTHETA側からみるとこうなる。この1枚に上下180度左右360度のデータが詰まってるのだ

 中身が一新され、CPUにクアルコムのSnapDragonを搭載。まあAndroid機になったようなものと思っていい。特に速くなったのが「転送」。同じWi-Fi規格なのにこれだけ違うのかというくらい高速化されたのだ。

 スマートフォンからリモート撮影して転送完了までの速度はだいたい3倍……は極端だが、実測で前モデルの「THETA S」と比べてみると、THETA Sは22秒かかったのに対し、THETA Vは8秒で済んだくらいの感じだ。

 このくらいなら撮影のリズムも崩さない。

 しかも5GHz帯もサポートしたのでこっちにするともっと速い(ただし、日本では5GHz帯は屋外では使ってはいけない)。

 今まで「転送に時間がかかるのが難儀だなあ」と思っていた人は即座にTHETA Vを。

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