ソフトバンクオープンデイで孫社長が掲げた“公約”(1/2 ページ)
ソフトバンクが3月28日、Twitterでの発言がきっかけとなったイベント「ソフトバンクオープンデイ」を開催した。そこで孫社長が語った、ソフトバンクモバイルユーザーへのメッセージとは。
ソフトバンクは3月28日、孫正義社長にあてた1つのツイートが発端となった「ソフトバンクオープンデイ」を開催した。Twitterで募集した1000組2000人を、汐留にあるソフトバンク本社の社員食堂に招待するというもので、応募総数約1万7000件から選ばれた約1000組、1300人ほどの人が参加した。
食堂は東京汐留ビルの25階にあり、うなぎ釜飯セット、SoftBankランチ、かつ丼、田舎そば・うどん、四川麻婆豆腐、ラーメンなどのメニューが自由に食べられたほか、吉野家やCASAなどが提供するメニューも味わえた。
また同日、孫社長のフォロワーからリクエストがあったUstreamスタジオもお披露目された。スタジオはソフトバンク本社がある汐留(社員食堂スペース)にあり、予約申し込み手続きをすれば無料で利用できる。当日は早速そこで放送も行った。また5月10日には、ソフトバンク渋谷にもUstreamスタジオを設置する。6月1日以降は渋谷シダックスビレッジクラブもUstreamスタジオが用意される予定だ。
イベントのスタッフは、イベント開催の契機となった、@ebleafさんのツイートに孫社長が返信した際のコメントをプリントしたTシャツを着用し、誘導や案内にあたった。休日で人もまばらな汐留に、多くの“孫正義ファン”が集まった。
Twitterフォロワーのさまざまな声に応える
社員食堂での食事の後は、別会場で「お楽しみイベント」も開催した。ここではTwitterにまつわるトークセッションや、Twitter上での発言が常に話題を呼ぶ浜田幸一(ハマコー)さんのTwitter活用術紹介、ハマコーさんへのiPhone贈呈、坂本龍馬トーク、お父さんグッズ抽選会、そして広瀬香美さんによるミニライブなどが行われ、孫社長のツイートに魅せられて参加した多くの来場者を楽しませた。
またTwitter上で孫社長が「やりましょう」「検討しましょう」とコメントした案件を整理し、実現したものを紹介するTogetterのリスト、「やりましょう」リスト、「できました」リスト、「検討します」リストも公開された。社内では「そう簡単に『やりましょう』といわないでほしい、という声もあるので、難しそうなもの、時間がかかりそうなものは『検討しましょう』と答えている(笑)」と孫社長。
予定では1時間半程度のはずだったが、孫社長からの“おもてなし”は約2時間半にわたった。Twitterユーザーに人気の人たちをゲストに呼んだりしたこともあり、会場は盛況だった。
電波エリアの改善は「命をかけてやっていく」
このイベント会場では、多くのソフトバンクユーザーが気になっている「ソフトバンクモバイルのエリアに対する取り組み」を改めて説明したのも興味深い。孫社長のアカウント(@masason)あてには、毎日のようにエリア改善の要望が送られていることから、孫社長自ら「命をかける決意です」と発言しており、具体的にどのような形で対策を打ち出すのか、関心が集まっていた。
孫社長がソフトバンクオープンデイで掲げたのは「ソフトバンク電波改善宣言」。これは4つの施策から構成される。
- 基地局を倍増(2010年度中をめどに)
- 自宅用基地局(フェムトセル)を無料提供
- 店舗・企業用基地局(フェムトセル)を無料提供
- 店舗・企業用Wi-Fiルーターを無料提供
基地局の倍増とは、その名の通りボーダフォン買収時から2倍に増やした基地局数を、向こう1年でさらに2倍にするという計画。孫社長は「現在ソフトバンクモバイルユーザーが、自宅で問題なくケータイを使える率は約98%という調査結果が出ている。経営的には、借金もあることだし、これだけできていれば十分という判断もある。あらかじめ言っておくが、基地局をさらに倍にしても100%になることはない。残り1%強をやるために、これだけの投資をするのは、正直効率が悪いが、それでも言い訳をせずにやっていくことに決めた」と話した。
一言で基地局といっても、広大なエリアをカバーするマクロセルをどんどん建設するという話ではなく、後述するフェムトセルの数も含むものになるようだ。これにともなって、2011年3月期の設備投資額は合計で4000億円程度になると見積もられている。
なお電波状況の改善要望を孫社長のアカウントに集めると、孫社長のタイムライン(TL)が改善要望だらけになってしまう恐れもあるため、要望を受け付けるTwitterアカウントを別途用意することも明らかにした。アカウントは後日発表する。
フェムトセルの無料提供は、希望者に対して行うもの。「自宅で電波が入る人は申し込まないでくださいね。それから、天井に付けてくれとか、そういう特殊な要望にはお応えしかねます」と孫社長は笑ったが、希望があれば可能な限り対応する方針になる。なお自宅にブロードバンド回線がない場合は、フェムトセル専用のADSL回線も無償で提供する。5月10日から受け付けを開始し、1台ずつ総務省に申請をする必要があることから、1カ月半後くらいをめどに設置を開始する。
店舗や企業向けにも、同様の施策を実施する。こちらもブロードバンド回線がない場合には専用ADSLサービスも無料提供。店舗でのエリア改善も徹底して行う姿勢を見せた。なお店舗・企業向けには、Wi-Fiルーターも無料で提供する。アクセスポイントはFONのものを利用する予定で、ブロードバンド回線も必要に応じて無償提供する。
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