アナログテレビの放送終了を“ケータイ”で見届けてみた:ふぉーんなハナシ
ケータイでテレビといえば今やワンセグだが、ワンセグ前夜ともいえる2003年から2005年にかけてはアナログテレビを搭載したケータイも発売された。編集部に残っていた“地アナ”対応ケータイで、7月24日の停波を見届けみた。
7月24日正午、58年におよぶ日本の地上波アナログテレビ放送が岩手、宮城、福島の3県を除く44都道府県で終了した。その夜の23時59分ごろには、アナログ波の送信も終了し、画面は砂嵐状態になった。
今後の地上波テレビは、UHF帯を使うデジタルテレビに完全移行し、アナログテレビが使っていたVHF帯では、新たに携帯端末向けマルチメディア放送の「モバキャス」がスタートする予定。地アナ終了と地デジ移行という一大イベントは電波の再編が目的だが、それにはモバイル分野も大きく関わっているといえる――。
ということで、+D Mobileでは携帯電話で地アナ終了という歴史的な瞬間を見届けてみることになった。ケータイでテレビと言えば今やワンセグだが、2003年末ごろから2005年半ばまでは、アナログチューナーを搭載した端末が何機種か登場している。
編集部の倉庫を発掘したところ、auの旧三洋電機製WIN端末「W32SA」と旧ボーダフォンのシャープ製PDC端末「V603SH」を発見。W32SAはau初のテレビ搭載端末で、V603SHは2G世代の集大成ともいえる当時のハイスペックモデルだ。
古い端末なので今の充電アダプタが合わないなど四苦八苦したものの、それぞれに電源を入れてみる。2台とも解約した状態の灰ロム状態だが、故障などはしていないようだ。W32SAは残念ながらテレビ試聴用のEZアプリが起動せず、V603SHはすんなりとテレビが映った。というわけで、V603SHを携えてアナログ停波に臨んだのでその動画をご覧いただきたい。
アナログ波の宿命か、とにかくノイズが凄い。ロッドアンテナを伸ばすと若干映りが良くなるが、そのサイズに苦情が寄せられたというアナログ終了のテロップもよく読めない状態。イヤフォン一体型のアンテナケーブルも付属しているが、あまり効果はなかった。屋外の電波状態の良い場所を探してみたがあまり改善せず、屋内ではエアコンを使うとさらにノイズが増え、さらにLED照明を点けるとかなり画面が荒れる。せいぜいブロックノイズが出るくらいのワンセグに慣れてしまった身には隔世の感があった。
一方でアナログの良さを感じられたのが、チャンネル切り替えの速さ。最近のケータイもワンセグのチャンネル切り替えはかなり速くなったが、映像をデコードする処理が入るため、アナログのような素早いサッピングはデジタルテレビではまだまだ難しい。
ソフトバンクモバイルは2010年3月末にPDC(2G)のサービスを終了しているので、このV603SHはすでに携帯電話として利用できない。今回の停波で、(東北3県以外では)アナログテレビとしても使えなくなってしまった。しかしFM受信機能があるので、FMラジオとしてならまだまだ現役で使える。
FMラジオがいつ終了するかはまったくの未定だが、その際にはまた引っ張り出してみたい。
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