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» 2004年04月05日 12時09分 UPDATE

Sun-Microsoft全面和解への“賛”と“否” (1/2)

SunとMSの和解により、両社の製品の互換性が向上するというメリットが期待されているが、その一方ではMSを「悪の帝国」と表してきたSunが「現金と引き換えに降伏した」との批判も。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 4月2日に締結された米MicrosoftとSun Microsystemsの広範囲にわたる和解合意は、両社ならびにその顧客にとって強力な追い風になるかもしれないが、Microsoftの反競争行為を抑止するための欧州委員会の取り組みにこれがどう影響を及ぼすかはまだ分からない――というのがアナリストと法律専門家たちの見解だ。

 Microsoftは4月2日、Sunに総額16億ドルの和解金を支払うことで独禁法訴訟ならびに特許侵害訴訟を終結させ、さらにライセンス料3億5000万ドルを支払ってSunの技術をMicrosoft製品にを組み込んでいくという予想外の発表を行った。一方Sunも、自社製品で使用するMicrosoft技術に対しライセンス料を支払う。

 このライセンス合意を技術共有契約の主軸に据え、両社は今後、それぞれの競合する製品間で相互運用性を図るべく協力し合う。例えば、MicrosoftのActive DirectoryソフトとSunのJava System Identity Serverを連係させる技術を共同開発し、インターネットベースコンピューティングで競合する両社のプラットフォーム(SunのJavaとMicrosoftの.NET)間の「技術面でのコラボレーション」を改善していくと、両社は明らかにした。

 この動きは、両社の顧客――とりわけSunのUNIXシステムをMicrosoft製クライアント・サーバソフトに対応させるのに奮闘してきた大手法人顧客――に恩恵をもたらすものだとアナリストは見ている。

 調査会社IDCのシステムソフト調査担当副社長、ダン・クスネツキー氏は次のように話す。「両社の競争上の不和によって、顧客は板ばさみ状態にあった。両社が互換性を提供したがらなかったため、顧客は自分たちが必要とする場所に自分で選んだソフトを導入したくても、実現はままならなかった。今回の和解合意は、顧客が広範な導入戦略を講じる上で生じるストレスを1つ取り除くものだ」

 技術共有契約とMicrosoftからの現金注入によって、Sunは、大手企業に向けたハード、ソフト、サービスの「エンドツーエンド」サプライヤーとして、IBMと張り合える有力な地位を確保することになると、Forrester Researchの主席アナリスト、フランク・ジレット氏は指摘する。

 「これまでは、エンドツーエンドという観点からMicrosoftとIBMという2つのソフト生態系が出来あがりつつと考えられていた。今回の件は、SunがIBMに対する有力な選択肢になることを意味する。サービスや管理ソフトがIBMとまったく同じ範囲を網羅するわけではないが、OSからソフト開発ツールを包含する代替プラットフォームが登場する」(同氏)

 実際、今回の提携は、売上が下降傾向にあるUNIXシステムの販売事業から、ソフト・システム・サービスの提供というより総合的な企業へと転身を試みるSunの取り組みの新たな一歩と言える。同社は既に、IntelおよびAMD製プロセッサを採用したx86サーバの販売を開始しており、試験的にLinuxもサポートしている。そして今回、Sunは同社が販売、サポートするOSリストにWindowsを追加する準備を整えたようだ。

 Sunのスコット・マクニーリー会長兼CEO(最高経営責任者)は2日朝の記者会見で、「インターネットバブル後の時代における、素晴らしい新たな位置付けの1つを間もなく実現する」と語った。

 それでもSunはまだ問題を抱えている。Microsoftとの和解合意というビッグニュースを吹き飛ばすかのように、同社は2日、1月-3月期決算で最大8億1000万ドルの赤字を計上する見込みであり、さらには現在進めているコスト削減の一環として従業員3300人を解雇すると明らかにした(4月3日の記事参照)。ただし今回の和解合意によってMicrosoftから支払われる19億5000万ドルが計上されることから、Sunの保有する現金および現金同等物は、10〜12月期の2倍以上になる。

 「当社の顧客からは、Sunのことは好きだが不安を感じるという声が聞かれていた。平均的企業において、今回(の和解)は、Sunの存続能力に関する疑問を取り除くだろう」とForresterのジレット氏。

 さらに両社の和解によって、SunはMicrosoftとの法廷闘争にもはや縛られることがなくなる。

 Jupiter Researchの上級アナリスト、ジョー・ウィルコックス氏は次のように語る。「SunはMicrosoftに対して、極めて高額なコスト負担を強いられ、かつ長期化の恐れがある訴訟を仕掛ける立場にあった。和解によって同社はその負担から解放され、また和解金を獲得したことである種の勝利を宣言し、またWindowsを導入している顧客に対しては、彼らが利用している製品とSun製品はうまく連係すると示すことができる」

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