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スーパーブラウザがIEを滅ぼすと……News Weekly Access Top10(2004年4月4日〜4月10日)

» 2004年04月12日 20時42分 公開
[小林伸也,ITmedia]

News Weekly Top10 4月4日〜4月10日

1位 「PlayStation6」の恥ずかしさ
2位 IEを滅ぼすスーパーブラウザ
3位 MP3のID3タグに潜むMac OS Xウイルスが見つかる
4位 IntelとAMDの64ビットx86技術は「100%近い互換性」との報告書
5位 「Winamp」に危険度“高”の脆弱性
6位 AMDとIntelの64ビット技術、わずかな差異が物語る両社の冷戦関係
7位 憧れのハリウッドと同じ悩みを抱えるゲーム産業
8位 “5倍速”MOドライブはダメ――公取委がバッファローに警告
9位 ソニー、HDD&DVDレコーダーでムーブに対応へ
10位 MS、初のオープンソースソフトをリリース

 「IEを滅ぼすスーパーブラウザ」の記事が金曜日掲載にもかかわらず2位に入った。

 さてそれは一体どんなブラウザか? 同記事の翻訳担当者が早速インストールしてみたところ、「Sleipnirと何が違うのか分からない」と困惑。掲載後、さらに読者から以下のようなご指摘を頂いた。

 「MyIE2はIEコンポーネントのタブブラウザだと聞きました。MyIE2の素晴らしさを紹介する記事だとは分かっていますが、『IEを滅ぼす』は言い過ぎではないでしょうか。IEが滅びたらMyIE2も滅びます」(強調は編集部)。

 そう、IEを滅ぼすというこのスーパーブラウザ、実はSleipnirやLunascapeなどと同様のIEラッパー。IEのエンジンを利用しつつ、より使いやすいようにユーザーインタフェースや機能を改良・追加したものだ。

 そもそも「MyIE2」という名前自体からして「IEをオレ流にカスタマイズして便利に使おうぜ」という雰囲気がありあり。普通は気付きそうなものだが、元記事の筆者は「Microsoftが危ない! Internet Explorerが滅びる」と意気軒昂。もちろんMyIE2が普及すればするほど、WebブラウザエンジンとしてのIEは滅びるどころかますます繁栄する計算になる。

 上記のような優れたIEラッパーが普及している日本ではちょっと考えにくいが、さすがというか、堂々と勘違いを主張した上で「明日はWindowsだぞ」とアクロバット的にWindowsの独占問題につなげてしまうところはいかにもアメリカ的──という、Microsoftを好きなんだか嫌いなんだかどうもよく分からない、一般的なアメリカ人の屈折した心境を垣間見ることができる記事、ということでご理解頂けないでしょうか……。

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