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Microsoft JVMのサポート、2007年末まで延長

» 2004年04月14日 11時00分 公開
[IDG Japan]
IDG

 MicrosoftとSun Microsystemsの先日の和解により、ユーザーがソフトからMicrosoft製のJavaバーチャルマシン(JVM)を削除し、恐らくはMicrosoftの.NETか競合Java製品に移行しなければならない期限が3年間延長された。

 Microsoftは自社のJVM用のセキュリティパッチサポートを9月30日に終了する予定だったが、これを2007年12月31日まで延長した。同社プロダクトマネジャーのブライアン・ケラー氏が4月13日明らかにした。

 Microsoft JVMのサポート終了は、対応アプリケーションの構築に当たっている開発者にとって懸念事項。Microsoftは現在、同JVMに関してセキュリティパッチサポートのみを続けている。

 ケラー氏は、「当社の顧客にとって、これは確実にプラスだ。アプリケーション移行のための猶予期間が3年延びたことを意味する。一部のアプリケーションについては、既に2007年になる前の撤退予定が組まれている」と話す。サポート期限の延長は、MicrosoftとSunが先日結んだ和解・協力契約の一環として両社の合意が得られている。

 だがMicrosoftは顧客には、自社のJVMからの移行を延期しないようアドバイスしている。Microsoftは、自社のJVM用のセキュリティパッチを2007年まで提供できるが、同ソフトの機能強化をしないことに同意しており、このためMicrosoft JVMは時代遅れになっているとケラー氏。

 とはいえユーザーにとってサポート延長は良いニュースだとForrester Researchの副社長、ジョン・ライマー氏は指摘する。「ユーザーは、一つのJVMから別のJVMへの移行という、何の価値もない移行を強制されていた。多くのユーザーは、Microsoft .NETプラットフォームへの移行には関心がなく、Javaを使い続けたいと考えている。移行にはコストと時間がかかる」と同氏。

 ライマー氏は、将来的なシナリオは二つあると言う。2007年になって顧客がMicrosoft JVMの利用中止を余儀なくされるか、またはMicrosoftがSunと新たなJavaライセンス契約を結ぶかだ。

 「現時点では可能性は低いが、今後の両社の関係と事業環境次第では、MicrosoftがSunから再びJavaライセンスを取得することもあるだろう」(ライマー氏)

 Microsoftは、.NETフレームワークへの移行、別のJVMへの移行など、顧客に与えられている選択肢を説明するサイトを立ち上げている。Microsoftは、開発者がJavaのアプレットやアプリケーションを.NETフレームワークに移行するのを支援するツールとして、Visual J# .NETなどを提供しているとケリー氏は説明する。

 ケリー氏は、Microsoftが将来的にSunから改めてJavaライセンスを取得する可能性があるかどうかについては何も言えないとしている。「現時点で当社の技術投資は.NETフレームワークに向けられており、Javaのライセンスを取得し直すという決断は、私の知る限りない」と同氏。

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