ITmedia NEWS >

Winnyは「技術的なテロ」――ACCS久保田専務理事

» 2004年06月08日 23時25分 公開
[ITmedia]

 ACCS(コンピュータソフトウェア著作権協会)は6月8日の2004年度第1回通常総会開催後に記者説明会を実施。前年度の活動報告や、「ASKACCS」個人情報流出をめぐる仮処分で元京都大学研究員と和解に至ったことなどを報告した(関連記事)。

 しかし、もう一つの注目の事件であるファイル交換ソフト「Winny」開発者の逮捕・起訴については、「(ACCSはこの件について)事実関係を把握する立場になく、具体的なコメントは差し控えさせていただきたい。7月初めに冒頭陳述が行われていると聞いているので、当協会としてはその段階で正式なコメントを出したい」(久保田裕専務理事)と述べ、5月31日に発表した“ファイル交換サービスに関する一般的な当協会の意見”を繰り返すにとどめた。

 ただ久保田氏は「あくまでも個人的な意見」としながら、起訴されたWinny開発者「47」氏の行為が著作権法違反(公衆送信権の侵害)のほう助犯に当たるかどうかについて、「著作権法の改正を意図して開発したこと、(Winnyを使って)著作権侵害行為が行われていることを承知しながらバージョンアップを続けたこと、その意図どおりにゲームソフトや映像メディアなどが公開されていたこと」の3点を満たしていれば、ほう助犯に当たるとの見解を示した。

 その上で久保田氏は、著作権法は関係省庁・団体などが真摯(しんし)な議論を重ねた上で法改正などを行っており、それをWinnyという道具を使って強引に改正を企てるのは「技術的なテロであり、非民主主義的行為だ」と非難した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.