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» 2004年07月16日 17時07分 UPDATE

本当に合法? 安くて危険な“バックアップ”CD

「ライセンスを持つ人にソフトのバックアップを販売することは、著作権法で認められている」とバックアップCDの販売サイトは主張しているが……(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 著作権法をかわすために、「バックアップ」コピーと称した安価なソフトのコピーを販売するオンライン海賊組織が増えている。

 「おそらくこれは最も拡大している海賊ソフト提供手段だ。深刻な問題になりつつある」とSoftware and Information Industry Association(SIIA)の知的財産政策・施行担当副責任者を務めるキース・クプファーシュミッド氏は話している。

適法を主張、だが……

 著作権法には、実際にこうしたソフトの再販業者を法的に保護する文は含まれていないが、このようなソフトを扱う商用サイトの数は増えている。SIIAでは2003年10月から2004年5月にかけて、ソフトウェアのバックアップ版のCDを販売するとうたう163の組織を監視した。このうち3分の2のドメイン名が過去8カ月以内に登録されたものだった。

 著作権法では、「コンピュータプログラムの所有者がもう1本コピーを作成する」ことを許可している。複製ソフトを販売するサイトの経営者らはこの文言を盾に、自分たちは各種ソフトのコピーを作成し、それらを当該ソフトのライセンスを取得している消費者に向けて販売することが許されていると主張している。ところが当該ソフトの「バックアップコピー」を求める顧客がそのライセンスを既に取得していることを販売業者が確認しているかどうかについては、何も示されていない。実際購入者たちが求めているのは、安価に入手できるソフトなのだ、と業界団体関係者らは話している。

 またSIIAによれば、大半のバックアップサイトでは、本来ソフトパブリッシャーと交わすべき正当なライセンス契約を回避する形で、販売しているアプリケーションのサービスパック・アップデートの海賊版も提供している。

 「著作権法が誤用され、ソフトの海賊行為が正当化されている」とクプファーシュミッド氏。SIIAは14カ月前から精力的にバックアップサイトの監視活動を行っている。

 ソフトメーカーで構成される業界団体Business Software Alliance(BSA)は、これらサイトの一部を著作権侵害ならびに海賊行為に及んだ疑いで提訴している。しかしその多くは米国外に拠点を置いており、起訴は難しい。

 米司法省は、過去に海賊版業者を提訴した経験があるが、現在行っているバックアップサイトの調査に関する一切のコメントを避けている。

シリアルナンバーも提供

 バックアップサイトの多くは特に大きな特徴がなく、怪しむに至らない程度に立派なデザインが施されている。オンラインユーザーは、あまり不安を抱くことなくクレジットカード番号を提供するだろう――ソフトの安さに気を引かれている場合はなおさらだ。

 ただしこれらサイトでは、販売しているソフトのコピーに小売用のパッケージや文書は添付されないほか、ソフトパブリッシャーに登録できないことを明記している。このことが違法性を匂わせていると、ソフトベンダーらは指摘している。

 SIIAによれば、バックアップサイトによっては特定のアプリケーションだけでなく、シリアルナンバーやクラック(ソフトの著作権保護機構を無効化する小さなアプリケーション)を提供しているところもあるという。

 これらサイトの多くに共通するのは、「販売業者の連絡先電話番号」が掲載されていないこと。このほかプライバシー保護に関する適切な説明もない場合がある。

OEMサイトという手口

 BSAの最近の調査は、米国や世界各国で海賊版ソフトの割合が驚くほど高くなっていることを示している。調査によれば、世界中のコンピュータにインストールされたソフトの36%が海賊版であり、業界に290億ドル近くの売上損失を与えている。米国における海賊版の割合は22%だった。

 バックアップコピーという手口は、こうした数値に貢献している多くの海賊行為の形態の1つにすぎないとBSAは指摘している。最近頭角を表している新しい海賊行為の手口に、いわゆるOEMサイトがある。OEMサイトでも、パッケージやマニュアルが付かない安価なソフトのコピーが販売されている。

 「Original Equipment Manufacturer(OEM)」コピーは、コンピュータを新規購入した際に添付されているディスク――つまりマシンにプリインストールされているさまざまなアプリケーションを収めたCDである。

 ソフトパブリッシャーは、流通させる目的でこれらCDを新しいハードウェアとともに流通業者に送る。クプファーシュミッド氏によれば、流通業者側ではこのCDが余ってしまうことが多く、中には著作権法を侵してこれらをほかの流通業者やOEMサイトに販売する者もいるという。

 この行為により、OEMサイトは明確に刑事法に違反するわけではないが、ソフトパブリッシャーとハードウェア流通業者間のOEM契約を侵害していることは明らかだ。OEM契約では、OEMソフトをハードにインストールする以外、単体での販売が禁止されている。

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