アイ・オー・データ機器は、7月22日に6チャネル以上の同時録画を可能にする「I-O DATA mAgicTV Server Concept Version」(以下 mAgicTV SCV)評価版を発表。同日より同社のホームページからのダウンロードによる配布を開始した。
mAgicTV SCVは、同社のキャプチャーカードラインアップのうち、ハードウェアMPEG-2エンコードをサポートする「GV-MVP/RX」「GV-MVP/RXLE」(以上 PCIタイプの内蔵カード)「GV-MVP/RZ」(USB接続外付けユニット)「VT-RXx3」(挑戦者ブランドで発売しているGV-MVP/RX相当製品)が複数組み込まれたPCにインストールすることで、組み込んだキャプチャーカード/ユニットの台数分だけ複数チャネルの同時録画を可能にするソフトウェア。
製品発表会場では、PCIスロットに6枚のGV-MVP/RXを差したマシンによる6チャネル同時録画や、12台のGV-MVP/RZを接続したマシンによる、東京キー局全チャネル24時間完全録画のデモンストレーションが行われていた。
mAgicTV SCVのメインインタフェースは番組表を表示する「mAgicガイド」になった。EPGを利用した番組表だが、録画した番組に関しては過去のものであっても表示できるようになっているので、ここからダイレクトに録画したい番組や再生したい番組が選択できる。
従来のmAgicTVでもキーワードやジャンルなどを指定して保存する番組を自動で設定する「おまかせ録画」機能をサポートしていたが、今回、複数チャネルの同時録画か可能になったことで、時間が重なる番組でも逃がさずカバーできるようになった。
複数チャネルの録画で気になるのが、適切なビットレートの設定とシステム側の処理能力。アイ・オー・データ機器の説明では、キャプチャーとエンコード処理自体はハードウェアで行うので問題ないものの、HDDへの書き込みに関してはシステム側のパフォーマンスの影響を受ける可能性があるとしている。
ただし、「ユーザー各自のマシン環境が大きく異なるので、同時録画における推奨ビットレートなどは決められない」ということで、適切なビットレートを各自試行錯誤して決めていく必要があるようだ。
mAgicTV SCVを動作させる推奨環境は以下のようになっている。HDDの条件に「長時間モードで24時間×6チャネルの録画を行う場合」という記述されているのが、mAgicTV SCVのコンセプトをよく表している。
CPU | 動作実クロック600MHz |
メモリ | 128Mバイト以上 |
HDD | 長時間モードで24時間×6チャネルの録画を行う場合、150Gバイト以上の空き容量 |
グラフィックスカード | Direct X 9.0bに対応 |
サウンド機能 | 必須 |
今回配布されるmAgicTV SVCは評価版ということで、サポートするのはMPEG-2のハードウェアエンコードによる録画に限られている。ソフトウェアエンコードによる複数チャネル録画は処理能力的に難しく、アイ・オー・データ機器が力を入れているXVDのハードウェアエンコードにも対応していない。ただし、技術的に難しいことではないので(ユーザーの要望が多ければ)対応するのはさほど困難なことではないらしい。
また、「録画中の裏番組を視聴する」というのはよくある使いかただが、この場合、視聴している番組でのタイムシフト視聴も現時点ではサポートしていない。外部入力は内蔵チューナーしか対応していないが、mAgicTV SCVをインストールするには既存のmAgicTV 4.xをアンインストールしなければならないため、mAgicTV SCVをインストールしたシステムでは、TVチューナー以外の外部入力からキャプチャーできなくなる。
なお、評価版ということで、mAgicTV SCVを利用した複数同時録画機能はアイ・オー・データ機器の正式サポート外の行為になる。この点も十分理解した上で自分のシステムに導入するようにしたい。
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