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温度変化で太陽光熱を自動調節する窓ガラス

» 2004年10月27日 20時07分 公開
[ITmedia]

 独立行政法人の産業技術総合研究所(産総研)は10月27日、環境温度の変化に応じて太陽光熱を自動的に調節する窓ガラスを開発したと発表した。30度付近を境に遮光機能が働き、暑ければ日光を遮断、寒ければ日光を取り入れる。市販の熱線反射ガラスより高性能で、省エネガラスとしてオフィス窓などへの応用を進める。

 ガラス表面に貼る薄膜として、温度により光学特性が変わる酸化バナジウムなどを使った多層薄膜を世界で初めて考案。夏は日射の約6−7割を遮断し、冬は日光の赤外部の大半を室内に取り入れることができるという。太陽調光率は従来の2倍以上、可視光透過率も40−60%と高性能で、スパッタリングによる多層薄膜の作成法も確立した。

 従来の熱線反射ガラスは光学特性が一定で、季節の変化に対応できないなどの課題があった。新開発のガラスは断熱効果も高く、夏冬に空調機器の使用を抑えられる省エネガラスとして実用化を進める。

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