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ドイツで人気のスマートフォンOSは……「なし」?

» 2004年11月05日 11時58分 公開
[IDG Japan]
IDG

 半年以内にスマートフォン購入を考えているドイツ人の2人に1人はOSの選択には無関心だが、関心がある人の間ではMicrosoftのWindows Mobileが一番の選択肢となっている。TNS Infratestが11月4日、このような調査結果を発表した。

 「調査対象者の約半分しかOSに興味を持っていないことにはあまり驚かなかったが、関心を持つ人の半分がWindows Mobileを好んでいたことはちょっと意外だった」と話すのは、TNS Infratestのアナリスト、ウルリッヒ・マイヤー氏。「今の欧州で使われている携帯電話では、Symbianが圧倒的首位に立っている」

 欧州携帯電話市場の約25%を占めるドイツは、一般的な購入パターンを測るのに適しているとStrategy Analyticsの上級アナリスト、ネイル・モーストン氏は語る。同国の携帯電話普及率は70%以上、加入者は約6000万人だ。

 Strategy Analyticsは、ドイツでは今年、3000万台以上の携帯電話が販売されると予測している。そのうちスマートフォンは150万台に上る見込みだ。同社によると、来年の同国でのスマートフォン販売台数は250万台を超える見通し。

 TNS Infratestは市場調査に当たり、半年以内にスマートフォン購入を考えている263人に聞き取り調査を行ったとマイヤー氏。デザインと機能性のほか、デスクトップ・ノートコンピュータとの互換性も端末選択の重要な要素として浮上したという。

 「人々は自分の携帯端末を、コンピュータで使っているアプリケーションと簡単に同期させたいと考えている。彼らはこのプロセスを、簡単で手間のかからないものにしたいのだ」(同氏)

 特定のOSへの関心を示しているスマートフォン購入予定者のうち、約50%がWindows Mobile、25%がSymbianを選び、残りの25%はPalmSource、Linuxなどを挙げた。

 Symbian OSはSymbianが開発した。NokiaはSymbianの過半数の株式を持ち、ほかにパナソニックモバイル、Samsung Electronics、Siemans、Sony Ericsson Mobile Communications、Telefonaktiebolaget LM Ericssonなどが出資している。

 PalmSourceはPalm OSの開発とライセンス供与を手がけており、同社のOSはpalmOneやソニーなど複数のメーカーのスマートフォンやPDAなどで採用されている。

 オープンソースOSのLinuxは、スマートフォン市場においては比較的新参だ。昨年世界初のLinuxスマートフォンを立ち上げ、今年に入って新モデルを投入した中国のE28は先週、独フランクフルトのLinuxWorldで、Linuxベースのソフト・ハード設計を端末メーカーにライセンス供与することを明らかにした(11月1日の記事参照)。MotorolaもLinuxスマートフォンの出荷を開始している。

 「Windows Mobileを好む人は、デスクトップ・ノートコンピュータとの互換性・同期化の問題が(ほかのOSより)ずっと少ないと考えている。SymbianやPalmSourceを好む人たちは、これらのOSの方が安定性が高く、アプリケーションが豊富で、ウイルス攻撃を受けにくいと思っている」(マイヤー氏)

 だがStrategy Analyticsのモーストン氏は、今の消費者は、アプリケーションではなく主にハードのデザインで携帯電話を購入すると指摘する。「今までは携帯電話の購入はこのようなパターンだったが、新しいモバイルデータサービスへの注目が高まれば変化するかもしれない」

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