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日本人の数値人体モデルDB「TARO」と「HANAKO」公開

» 2004年11月10日 21時43分 公開
[ITmedia]

 独立行政法人・情報通信研究機構(NICT)はこのほど、日本人の数値人体モデルデータベースを無償公開した。ワイヤレス機器が発する電波と人体の相互影響をコンピュータ上でシミュレーションするために開発したものだが、自動車の衝突被害解析など各種分野への応用が可能だ。

TARO(写真)は173.2センチ、65キロ。HANAKOは身長160.8センチ、体重53キロ。

 人間の全身を、1辺が2ミリの立方体ブロックの集合体として表現した。筋肉や脂肪、臓器など各ブロックに電気的特性を設定することで、電波が人体に吸収される様子をシミュレーションできる。

 モデルは日本人の成年男女の平均体型を再現。女性モデルは世界初で、「HANAKO」と名付けた。男性は「TARO」。核磁気共鳴装置(MRI)で得たデータを使用した。

 モデルの寸法や臓器重量などについて詳細な評価を実施したところ、欧米のモデルと異なり、日本人の平均値と一致していることを確認したとしている。

 北里大学、慶應義塾大学、東京都立大学と共同で開発した。今後、任意の姿勢や体型、解像度に変形可能な高機能モデルの開発も進めていく。

 公開は非営利研究が対象だが、営利利用向けの有償公開も検討する。

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