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Yahoo! MailにDomainKeys採用、無料メールボックスは2.5倍に

» 2004年11月15日 16時23分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米Yahoo!がスパム対策の認証技術「DomainKeys」を発表してからおよそ1年、同社は11月15日(米国時間)から電子メールサービスにこの技術を採用する。

 「これは当社にとって本当に大きなマイルストーンだ。この認証技術を採用することで、ID盗難やフィッシングに対する保護が強化される」とYahoo!の広報担当テレル・カールステン氏は語る。

 DomainKeysは、スパム業者が電子メールのヘッダ情報を改ざんして、信頼できる知り合いや銀行やクレジットカード会社などの正規の企業からのメッセージに見せかける「スプーフィング」という手口に対抗する。

 スプーフィングにより、スパム業者は受信者がスパムを開き、返信する確率を高めようとしている。多くの場合、スプーフィングの最終的な目的は、受信者をだまして社会保障番号や銀行口座情報、パスワードなどの機密情報を提供させることだ。こうした詐欺はよく「フィッシング」と呼ばれる。

 Yahoo!のDomainKeysは暗号化技術を使い、これにより電子メールを受信する側のシステムが、送られてきたメールが、ヘッダに記述されたドメインにメッセージを送信する許可を受けているユーザーからのものであることを確認できる。受信側システムは公開鍵を使って、送られてきたメールの秘密鍵の署名を確認する。

 MicrosoftやAmerica Online(AOL)など、ほかのインターネット企業や電子メールサービスも、スパムと戦う個別の取り組みや共同の取り組みを進めている。例えば米大手ISPのEarthLinkは15日、DomainKeysのテスト開始を発表する予定だ。

 このほかWebメール関連のニュースとして、Yahoo!はユーザーからのフィードバックを受けて、無料Webメールサービスのメールボックス容量を100Mバイトから250Mバイトに拡大する。これにより、Yahoo!の無料メールサービスは、Microsoftの無料版Hotmailと同じだけの容量を提供することになる。

 しかし、Yahoo!もMicrosoftもGoogleが無料の「Gmail」サービスで提供している1Gバイトという容量には遠く及ばない。Gmailはまだテスト段階にあり、招待を受けた限られたユーザーにのみ提供されている。Gmailが4月に発表されたことをきっかけに、Webメールサービス各社はおしなべてメールボックス容量の拡大に走った。それまでYahoo!は無料Webメール利用者に4Mバイトのメールボックスを、Microsoftは2Mバイトを提供していたが、両社はこの数カ月でそれぞれメールボックス容量を拡大した。

 またYahoo!は15日、有料Webメールサービス利用者向けに、添付ファイルのサイズの上限を10Mバイトから20Mバイトに引き上げる。有料Webメールの利用者は、2Gバイトのメールボックスなど、無料Webメールにはない機能を利用するのに年額19ドル99セントを支払っている。

 この日発表されるYahoo! Mailの強化機能には、ほかに次のようなものがある。

  • ユーザーがメッセージのアドレスフィールドに受信者の電子メールアドレスを入力している途中で、そのアドレスをオートコンプリートする機能が改善された。

  • 別のサービスからYahoo! Mailへの乗り換えを容易にするツール。連絡先情報をYahoo!のアドレス帳に転送し、アドレス帳に載っている人に新しいメールアドレスを通知する。

  • Webとメールボックスを検索するボタンがこれまでよりも目立つようになっている。

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