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Google、「企業内Blog」に大きなメリットを実感

» 2004年11月19日 21時00分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Googleがファイアウォールの内側にWebログシステムを実装したのはおよそ18カ月前のこと。同社はそれ以降、多大な恩恵を受けており、興味を持ったクライアントに対してはツールや専門知識を提供することも将来的には考えている。同社幹部はそう語った。

 GoogleはBlogサービス会社のBloggerを2003年初めに買収した直後に、従業員用に社内Blogを導入した。導入後、Google社員は社内Blogで多くの有用かつクリエイティブな使い道を見つけたと、GoogleのBloggerプロダクトマネジャー、ジェイソン・ゴールドマン氏は説明する。

 「導入以来、われわれはファイアウォールの内側でのさまざまなBlog利用方法を目にした。会議のメモをつけたり、分析情報を共有したり、コードの部品を共有したり、同時に個人的な利用法もあって、同僚に自分が考えていることを伝えたり、何をやっているかを教えたりする」とゴールドマン氏。「イントラネットと内部のドキュメントの基礎部分を増強していくのに、本当に役立つ」と同氏は説明する。

 Google幹部は以前、同社の社内Blogger実装であるBlogger in Google (BIG) について語ったことがあった。また、Google社員の一人がBIGのページをWeb公開している。

 Googleが内部版Bloggerのソフトウェアやコンサルティングの提供を行う用意はあるのかとの質問に対し、ゴールドマン氏は態度を留保したが、可能性がないわけではないという。「たしかに、可能性はある。正当なビジネス関係が存在すれば、優れたチャンスになるだろう。しかし、今のところは特に計画があるわけではない」と同氏は答えた。

 Googleが企業のドキュメント管理製品と競合するようなBloggerを開発することは考えにくいが、Googleが将来、Bloggerをビジネスでも利用できるように機能を追加することは非常に可能性が高いと、Gartnerのアナリスト、アレン・ワイナー氏は分析する。

 最終的に、台頭しつつある企業向けBlog市場に対するベンダーからのアプローチは二つの方向からになるとワイナー氏。まず、企業ドキュメント管理ベンダーと企業パブリッシングソフトウェアベンダーが業務利用されている製品にBlog機能を追加するだろう。これらの企業はセキュリティ、豊富な機能、ITのコントロールを必要としている組織を満足させるだろう。次に、Bloggerのように、より軽量な製品はBlogをもっと気軽に利用しようとする組織にとって最適なものとなるだろう。

 企業の中でビジネスコミュニケーション用ツールとしてのBlogに関心が高まるのは否定しようがない。特にIT部門においては、とワイナー氏。「今日のIT組織のあり方は、より少ないリソースでより多くのことを実現すること。だから、コミュニケーションをスムーズにして共有するものが多ければ、業務効率は向上する」と同氏。「ITプロジェクトを実施している企業にとって、Blogは大きな利益をもたらす。これから1、2年のうちにこのトレンドは加速するだろう」とワイナー氏は予測する。

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