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IBMとAMD、新たなストレインドシリコン技術を開発

» 2004年12月13日 15時44分 公開
[IDG Japan]
IDG

 IBMとAMDは12月13日(米国時間)、ストレインドシリコン技術をp型、n型両方のトランジスタに実装する新たな手法を共同開発したことを発表する。

 この新しい製造手法は「Dual Stress Liner」と呼ばれ、2005年から両社のプロセッサの性能改善に利用される。両社は、従来の素材を使ってp型、n型のトランジスタ両方で同時に性能の改善を実現したのは初めてだと主張している。この手法については13日にサンフランシスコで開かれる国際電子デバイス会議(IDEM)で詳細が公表される見込みだ。

 半導体メーカーにとって、単にトランジスタの縮小によって性能を高めることは次第に難しくなっており、各社は製品の性能を向上させ続けるほかの方法に目を向けてきた。ストレインドシリコンは、シリコン原子の格子を伸び縮みさせて電子がシリコンを流れるスピードを改善する技術。p型トランジスタは格子を縮めたときに動作が速くなり、n型トランジスタは格子を広げたときに速くなる。

 IBMとAMDは、このストレインドシリコン技術をp型、n型両方のトランジスタに使うことで、トランジスタのスピードを24%も向上させられると考えていると発表文には記されている。

 この技術は2005年前半に、AMDのOpteronとAthlon 64、IBMのPowerプロセッサに統合される予定。

 AMDとIBMは2003年に高度なトランジスタ製造技術に関する取り組みで提携した。共同開発チームの作業は独ドレスデンと米イーストフィッシュキルにあるそれぞれの主要な製造施設で行われている。両社は最近、この契約を2008年まで延長した。

 両社の研究者は、IDEMでこの技術を概説した論文を発表し、詳細を説明するブリーフィングと記者会見を行う予定だ。

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