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新生ITmedia、3ブランドでスタートへ 米企業と提携も

» 2005年03月14日 18時40分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 アイティメディアは3月14日、9月上旬からIT系情報サイトの新ブランドを2つスタートし、3ブランド体制でサイト運営すると発表した。既存の技術情報サイト「@IT」に、エンタープライズやビジネス情報を発信する「ITmedia オルタナティブ」(仮)と、コンシューマー向け情報サイト「ITmedia +D」(仮)を追加する。米メディア企業TechTargetとの提携も発表した。

胸にITmediaの新ロゴを縫い付けたシャツ姿で登場した大槻利樹社長。「ロゴには、ITも会社も右肩上がりに成長させたいという意味を込めた」

 アイティメディアは、IT総合情報サイト「ITmedia」を運営するソフトバンク・アイティメディアと、IT技術者向け情報サイト「@IT」を運営するアットマーク・アイティが3月1日付けで合併して誕生した。現在は「ITmedia」「@IT」の2ブランドでサイト展開しているが、9月以降、3ブランド体制に移る。

 ITmedia オルタナティブは、9月15日スタート。「ITプロフェッショナルのためのオルタナティブソリューションサイト」として、海外ニュースや国内取材記事、事例紹介、システム選定シミュレーション、コラム、オピニオン記事、キーマンのBlogなどを扱う予定だ。既成概念を打ち破る“もう1つの選択肢(オルタナティブ)”を提供するとしている。

 ITmedia +Dは、9月1日スタートする。新製品をいち早く生活に取り入れる高感度なコンシューマー“デジタルノマド(遊牧民)”をターゲットとし、新製品ニュースから製品比較、購買までカバーするメディアを目指す。扱う分野はモバイル、AV機器、PC、デジタルカメラ、ゲーム、自動車・ITS、ガジェット、ネットサービスなど。現在「ITmedia Shopping」として展開中のECもさらに強化するほか、読者コミュニティの構築も計画している。

 @ITのコンテンツも強化する。仕様策定やシステム設計など上流工程に関するコンテンツを充実させるほか、組み込み系やRFIDなど新分野も順次開拓する。

 2月に行った読者アンケートによると、ITmedia・@ITとも、商品購入の選択や判断に役立つコンテンツや、ビジネス・経営に活用できるコンテンツが弱いと分かった。新ブランドでそれぞれに対応したコンテンツを強化。読者満足度を高め、読者層を広げる。

2月に行った読者アンケートの結果から作成したチャート

 2006年3月期の目標は、オルタナティブが月間1000万ページビュー(PV)、月間ユニークユーザー(UU)110万、+Dが同1億PV、同800万UU以上、@ITが同1650万PV、同240万UUを目指す。

 3ブランド体制確立以降の計画も明らかにした。@ITのテクノロジー分野では、組み込み系事業をスタート。オルタナティブでは読者・広告主を細分化したターゲティングコンテンツを強化する。ニュースコンテンツ「ITmedia News」も、独自ブランドで展開する計画だ。

 同社の大槻利樹社長は「新ブランドを活用し、読者・広告主双方の満足度を高めたい。ソフトバンクグループの一員ではあるが、メディア企業として独立したい」などと意気込みを語った。藤村厚夫会長は「ネットコンテンツは、速報性の時代から総合力の時代にシフトしている」とし、コンテンツのカバー範囲を広げていきたいとした。

藤村会長

TechTargetと提携、新事業も

 同日、米国のIT関連メディア企業・TechTargetとの事業提携も発表した。TechTargetのサイトや雑誌コンテンツを独占的にライセンスし、TechTargetブランドを国内展開するほか、独自のマーケティング手法「ROIターゲティング」「メジャラブルROI」を同社の運営に取り入れ、読者や広告主に最適なコンテンツ作成や広告掲載につなげる。

 また、TechTargetのマーケティング手法を使った事業を、両社共同で国内展開する方向で協議を進めているとした。

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