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MS副社長が語るアンチウイルスソフトへの不満、Tigerへの苦情(2/2 ページ)

» 2005年05月02日 19時24分 公開
[David Coursey,eWEEK]
eWEEK
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 オールチン氏はAppleがMicrosoftのイベントに参加して同社の計画を知り、それを先に実装したと非難した。「Appleの方がわれわれよりも早く方向転換できるから」だという。MicrosoftはWinHECで、AppleがTigerに組み込んだ「Spotlight」機能に似た「ライブ」検索フォルダなどのメタデータ検索機能を披露した。

 これまで長い間、疑う余地もなくAppleから多数のアイデアを取り入れてきたMicrosoftが、Appleに自分のアイデアを幾つか使われたと苦情を訴えている事実について、私はあまり触れるつもりはない。私としては、オールチン氏にとって問題なのは礼儀であり、AppleがLonghornに似たTigerの機能に関してMicrosoftを愚弄したことは、その礼儀からはみ出しているということなのだろうと思う。

 Microsoftは独自のハードを製造しておらず、対応しなくてはならない顧客層も他社よりずっと大きい。このため、同社は自分よりも小さなライバルに裏をかかれる可能性がある。オールチン氏は、メタデータ検索はMicrosoftのアイデアだと考えており、この機能を最初に出荷できたという理由で技術的な優位性を主張しているAppleに異を唱えている。

 しかしながら、私がオールチン氏と会った主な理由は、私が最近書いたコラムにある。私はそのコラムの中で、Longhornが重要なセキュリティフィックスの提供を約束しているという以外のことを知っている顧客がいかに少ないかを書いた。

 同氏は、現時点でのLonghornの目標が品質、スケジュール、機能であることを繰り返した。つまり、求められる品質に満たない機能と出荷予定日に間に合わない機能は破棄されるということだ。

 現時点では、オールチン氏にとってLonghornをかなり詳しく説明することにはメリットがないという。これは特に、Microsoftが公表した機能をAppleに横取りされないための対策でもあるが、Longhornの機能一式がまだ流動的なことを反映したものでもあるという。

 Microsoftは今でも、遅れた出荷スケジュールに合わせるために、Longhornから重要機能を削ったことに痛みを感じている。だがオールチン氏は、「2006年の年末商戦」のクライアント版リリース前に、公開ベータテストでLonghornのすべてが明らかになると約束した。Longhornのサーバ版は2007年に登場する予定だ。

 オールチン氏は、WinHECはLonghornのためのイベントではなく、64ビット版Windowsの立ち上げイベントとして用意されたものだと語った。ビル・ゲイツ会長の基調講演(Microsoftのサイトでその内容を見ることができる)で披露されたLonghornの機能は数少なく、この新OSが見栄えのいいサービスパックでないことをどうにか示せた程度だった。

 新しいプロセッサに関しては、オールチン氏は「64ビットは避けられない」と述べ、これらプロセッサはハードに実装するコストが安く済み、性能上の大きなメリットをもたらす点に言及した。今回のWinHECの使命は、32ビットから64ビットへのハードの移行を迅速化するために、64ビットドライバを開発するようハードメーカーを説得することだと同氏は語った。

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