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ザイリンクス新社長「日本のPLD市場の成長余地は非常に大きい」

» 2005年05月10日 22時46分 公開
[佐々木千之,ITmedia]

 ザイリンクスは5月10日、今月末に同社の代表取締役社長に就任予定の吉澤仁氏の記者会見を行った。

 ザイリンクスはFPGA/PLDを手がける大手企業である米Xilinxの日本法人。FPGA(Field Programmable Gate Array)やPLD(Programmable Logic Device)は、特殊なプログラムを書き込むことで任意の論理回路を持つICとして利用できるデバイス。通常のICではシリコンウエハー上に回路を直接作り込むため、製造後に機能の変更はできないが、FPGA/PLDでは最終製品として組み込まれた後でも、プログラムを書き換えることによって機能の変更や追加が可能という特徴を持つ。

吉澤氏 社長就任予定の吉澤仁氏

 吉澤氏によると、最終の電機/電子製品サイクルが短くなる傾向があり、そのためASICに比べて開発期間が短く機能追加などへの対応が容易なFPGA/PLDがメーカーに受け入れられやすくなってきているという。また、これまでFPGA/PLDはASICに比べてコストが割高だったが、最終製品が高機能化することによってASICが複雑化し、その製造のためのコストが急上昇している一方で、FPGA/PLDは半導体製造プロセスの微細化による製造コスト低下の恩恵を受け、両者のコスト差は縮まってきているという。

 世界的にはFPGA/PLDがASICの市場を侵食する形で成長を続けているが、日本ではまだASICが高い割合で使用されており、通信分野や国内メーカーが得意としているカーナビやデジタル家電などデジタルコンシューマー製品分野で大きな成長が期待できると述べた。

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