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» 2005年05月18日 12時52分 UPDATE

「どうせならカッコいいオヤジに」――迷えるオトコを導くBlog

20代後半〜40代向けBlogマガジン「メトセク.jp」は、「かっこよく生きたいけれど、どうすればいいか分からない」と迷う男性にライフスタイルを提案する。

[岡田有花,ITmedia]

 「女性は小さいころからおしゃれに慣れていて、自分の磨き方を知っている。しかし男性は、どうすればカッコよく生きられるのか分からず、迷っている人が多い」――ファイナンス・オール管理本部経営企画室の加治恵太さんは、カッコよさを追求する20代後半〜40代男性向けのBlogマガジン「メトセク.jp」開設の背景をこう語る。

 ファッションや金融などの各分野の専門家が、カッコいい生き方を考えるコラムをBlog形式で配信。「可処分所得が多く、自己投資を惜しまないが、女性に比べてセグメント化が難しいとされてきたM1(20〜34歳男性)、M2(35〜49歳男性)層」(加治さん)の読者を集め、広告やECで収益を上げる計画だ。

yu_meto_01.jpg

 「『POPEYE』や『週刊プレイボーイ』を読んで育った世代がこの年齢にさしかかっているが、彼らのニーズを満たすメディアは少ない」(同社管理本部の中里裕一経営企画室長)――メトセク.jpは、いわゆる“おじさん”向け雑誌では物足りない、ファッションや生き方にこだわりを持つ層がターゲット。離婚率や転職率が上昇し、自分の生き方を模索し始めたM1、M2層に向け、カッコいい生き方を提案する。

 特にM2層は、ファッション誌の新たなターゲットとして今、注目を浴びている。ここ数年、M2向けのファッションやライフスタイル雑誌が次々に創刊。1999年に登場した「BRIO」(光文社)を皮切りに、「LEON」(主婦と生活社)、「GQ Japan」(コンデナスト・ジャパン)、「UOMO」(集英社)──「ここ数カ月だけでも複数創刊された」(加治さん)。雑誌の販売部数が下がり続け、女性向けファッション誌市場が飽和する中、新ジャンルとして浮上したM2層向けファッション誌。多くは数万部程度と小部数だが、広告収入で収益をまかなうビジネスモデルで成り立っている。

 雑誌は早くも過当競争に入りつつあるが、M2層向けWebサイトはまだ少なく、参入のチャンスという。「M1、M2層は比較的ネットリテラシーが高い」(中里経営企画室長)ため、ネットメディアとの相性もよさそう。ファッション中心の雑誌ではカバーしきれない、内面を含めた“カッコいい生き方”を追っていく。「例えば、ライターに築地市場の若旦那がいる。彼のかっこよさは、江戸前の“粋”。見た目だけではない、多様なカッコよさを追求したい」(加治さん)。

yu_meto_02.jpg 築地仲卸「鈴与」主人の「築地魚河岸若旦那日記」

 当面の月間ページビュー目標は100万と、ネットメディアとしては少ないが、セグメント化が難しいとされてきたM1、M2層が濃密に集まる広告媒体・マーケティングリサーチ母体として売り出す計画。男性向け美容関連商品などのネット販売も始める予定だ。

 加えて、Blogコンテンツからも収益をあげる。現状、コンテンツライターの多くから原稿料を“もらって”いるのだ。原稿料は、Blogスペースを提供し、Blog上で自社製品などの広告掲載を認める対価との位置づけだ。

 とはいえ、広告主体のメディアに読者をひきつけるのは簡単ではない。カッコよさを体現してくれるライターを選び、サイトの目的に合った形の原稿を書いてもらうよう気を配っているほか、無料で書いてもらっているライターもいる。著名人に原稿料を支払って書いてもらったり、トレンドリーダーのインタビューを行うといった企画も考えている。

“カッコよさ”と金融でシナジーを

 メトセク.jp単体での売り上げに加え、同社他サービスとの相乗効果も狙う。同社はネット金融や比較サイトを運営しているが「目的を持った人が訪れ、目的を達成するとそのまま去ってしまう」(中里経営企画室長)。ユーザーが滞留するコミュニティサイトを作り、その中で金融サービスをアピールすることでリピーターをつかむ狙いだ。

 同社が昨年スタートした独身女性向けBlogサイト「化け犬.jp」が、成功した前例だ(関連記事参照)。ユーザー数は目標通りのペースで増え、現在約3000人。登録Blog数は1000まで伸びた。2月にはユーザーを対象にした初のセミナーを開催。予想を上回る23人が集まった。メトセク.jpも化け犬.jpと同様、セグメント化されたユーザーベースを活用し、新事業を展開したい考えだ。

yu_meto_03.jpg 化け犬.jp

 また「金融サービスや価格比較サービスはネット上にたくさんあり、ブランド化しにくい」(中里経営企画室長)ため、おしゃれなサイトを運営しているというイメージでブランド力アップを目指す狙いもある。

 ファイナンス・オールの名の通り、金融事業をメインに展開してきた同社だが、今後はネットメディアとしての展開にも力を入れる。「当初は金融サービスだけの会社だったが、ローンなどの価格比較サイトを設立に続き、引越しや航空券など、金融とは全く違う分野の価格比較サイトも運営してきた。専門分野でなくてもサイト運営は可能」。比較サイトと「化け犬.jp」でつちかった運営ノウハウを生かし、セグメント化したユーザーが集まるコミュニティを今後も増やしていく方針だ。

 「メトセク」は「メトロセクシュアル」の略。メトロセクシュアルは1994年にイギリス人マーク・シンプソンがメトロ(都会)+ヘトロセクシャル(ゲイではないストレートな男性)から作った造語で、「都会に住む/都会型生活をする男性」を意味する。マイケル・フロッカー「メトロセクシャル」(ソフトバンクパブリッシング、2004年)

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