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「Blogがすべてだった」――20歳ガングロ社長の“ギャル革命”ITは、いま──個人論(3/4 ページ)

» 2005年05月23日 16時54分 公開
[岡田有花,ITmedia]

初めてのCD、8分で500枚売れる

 歌手になるという夢をかなえるべく、4月、自分の会社でCDを作った。「プレス代が安くなるから」と1000枚も作ってしまったCD。売れるかどうか不安だった。「手売りで無理やりでも売れば、何とか1000枚売り切れるかなって思ってました」

 発売日の4月17日朝。恐る恐る注文メールを受信した。1通、2通……10通……100通……400通……受付開始からわずか8分で、500枚も売れてしまった。1人で10枚買ってくれる人もいた。信じられない。しばらく動けなかった。注文は全国各地から来た。3日で1000枚、完売した。「すごい」――Blogの力、ネットの力に驚いた。

 もっと驚いたのは、ギャル革命の紹介記事が音楽サイト「BARKS」に掲載され、Yahoo!JAPANのトピックスに取り上げられた4月25日。Blogのアクセスがいきなり増え、それまで6〜7位を前後していたBlogランキングのトップに躍り出た。同時に応援や問い合わせのメールが殺到し、サーバがパンクした。

 「ヤフーは検索しか利用したことがなかったから、トピックスに載ってると聞いても今いちピンとこなかった。反響にびっくりした」

Yahoo!トピックス掲載画面を、黒団のメンバーがプリントアウトしてくれていた

 たくさんの人に見てもらえるのは嬉しい反面、怖くなることもあるという。「見る人が増えるほど、ちゃんとしなきゃなって思う。ネットって一歩間違えたらすぐ広まっちゃうし」

 4月27日のBlogに、志穂さんはこう書いている。(以下原文ママ)

 「このブログが始まりでした。このブログをきっかけに色んな人にァドバイスもらったり、悩んだ時には励まされたり。実際に会ったりもして、自分の構想のギャル革命を形にしていくことができました」

 「最初は正直不安でした。ギャル革命で世の中のギャルの偏見のイメージを変えてゃるぅ〜!起業して自分の夢を自分の会社で叶えてゃるぅ〜!って。でもそれって世の中の人、ブログの人に受け入れてもらぇるのかな?? なに言ってんだこの小娘はって笑ゎれるんじゃないかな?? って」

 「だけど、ブログを見てくれてる人達はぁたしが思ってた不安を自信に変ぇてくれた。勇気もいっぱいもらった」

 「この場所で学んだ大事なことがぁります。『感謝の気持ちを忘れないこと』『素直になって向き合うこと』『夢を語って語りまくること』『人と人との繋がりの大切さ』『挑戦することを楽しむこと』『応援してくれる人達の言葉』一つ一つ学ぶことができました!本当に本当にぁりがとうござぃます(;_;)」

 

「ネットなら、ギャルもおじさんも見てくれる」

 「Blogがあったからヤフーにも取り上げられたし、いろんな人と出会えた。今思うと、Blogがすべてだった」

 Blogを見た人が支援を名乗り出てくれたり、仕事を依頼してくれることも少なくない。「イベントに参加しませんか? とか、ギャル服のECサイトのカバーガールにやってもらえませんか? とか」

 ネットで志穂さんのことを知った海外在住のギャルから、「黒団に入りたい」とメールをもらったこともある。「ギャル革命、海外にまで広まっちゃったよ、ヤベェ! みたいな」――嬉しそうに話す。

 志穂さんは、ギャル革命の記事を雑誌にも連載中だ(ティーン誌「JELLY」、4月創刊、ぶんか社)。雑誌とネットでは、読者層が全く異なるという。

 「雑誌は若い子向けで、19〜22歳くらいか、それ以下がターゲット。読者は『一緒にギャル革命やりたい』とか『応援してます』って言ってくれる。ネットは間口が広くて、ギャルの子もおじさんも、興味持ったら見に来てくれる」

 「私の活動を見て、ギャルもおじさんもみんな頑張ってくれたらそれはもう、一種の社会現象。『ギャル革命』、流行語大賞も狙ってますからっ」

 今後は、ネットでの活動の幅を広げ、ギャル革命をさらに広めていきたいという。例えば、ECサイトのカバーガールを引き受け、隅っこにリンクを張ってもらうとか、Blogをもっと多くの人に読んでもらって、リンクやトラックバックで広めてもらうとか――。

 愛機PowerBookも、もっと使いこなしたいという。ここ半年で、キーボード操作はちょっぴりうまくなった。「黒団のギャルとかは、右手の指1本で打ってるけど、私は、ちょっとなら両手を使えるようになった。『ま』とか『や』とか、ピピって一気に打てる(笑)」

 「せっかくMacなんだから、Macなりな使い方をしたい。デザインやグラフィックに強いって聞いたから、黒団のTシャツをデザインするとか」

 今勉強しているのは、PowerPointの使い方。営業先でギャル革命を説明する資料を、1人で作れるようになりたいという。「ある営業先で、『ギャル革命を紙に落として』って言われて意味が分からなかった。何? 紙に落としたら落ちるよ、くらいのレベルだった」

 PowerPointは、人に聞きながらやっと使えるレベル。自分で作ったプレゼン資料を見せながら、「もっと使いこなしたい」と楽しそうに話す。

教えてもらいながら作った、ギャル革命の資料

「5年後には学校を」

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