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» 2005年05月30日 16時10分 UPDATE

「にゃんにゃんにゃん、てんこてんジェイピー」のツカサがネット企業に?

ウィークリーマンションの印象が強いツカサだが、今年からBlogやSNSに参入。6月にはネット新聞を始める。不動産業の同社がなぜネットに進出するのか、CMにも出演する名物社長に聞いた。

[岡田有花,ITmedia]

 不動産業のツカサ都心開発といえば、かつて「ヨンヨン・マルマル・ワンワンワン」のCMで知られ、今でもウィークリーマンションのイメージが強い。しかし同社は今、ネット企業に生まれ変わろうとしているという。

 同社は1999年バブル崩壊で多額の負債をかかえ、ウィークリーマンション事業をリーマンブラザーズに譲渡。社名を「ウィークリーマンションツカサ」から「ツカサ都心開発」に変更するとともに、CMはWebサイトのURLをアピールする「アドレスはにゃんにゃんにゃん、てんこてんジェイピー(www.222.co.jp)」に変えた。「これからはネットの時代」と予見してのことだった。

 「5年後――遅くとも10年後には、ツカサ=インターネットになる」と、同社CMにも出演する名物社長・川又三智彦氏は意気込む。

yu_tsukasa_01.jpg 出会った人は全てDVカメラで撮影し、PCに保存して忘れないようにしているという川又社長。「ネット好きな人に入社してもらって、面白いものを何でも構築してほしい」

 「不動産はもともと情報産業。土地を売りたい人と買いたい人、貸したい人と借りたい人を情報でつなぐのだから」――「不動産のツカサがなぜネットに?」といぶかる記者に対して、川又社長はこともなげに答える。

 オフィスやマンション物件の詳細な情報をネットで公開。家賃を競売にかけるネットオークションや、同社のオフィス入居者向けにPR用Webサイトを構築するサービスも行っている。今年からはBlogやSNSに参入。6月から市民記者(パブリックジャーナリスト)によるネット新聞も始める予定だ。

 同社にとってネット事業は広告手段。単体で収益をあげる必要がないため、多様なサービスを試せるという。

ネット効果で広告費4分の1に

 同社はバブル期、広告宣伝費を年間8億円かけていたが、今は2億円にまで減らした。しかし、広告を見て同社に問い合わせする人は逆に増えたという。「ネット経由の問い合わせが、電話によるものより圧倒的に多い」(川又社長)。テレビでURLを宣伝し、サイトに誘導するという戦略が当たったという。

 「電通が発表したWebサイト認知度調査によると、1位がアコム、2位がトヨタ、3位がプロミスと並んでツカサ。ツカサ以外の3社は、広告宣伝費を少なくとも200億は使っている。(2億円で3位という)ツカサのCMの費用対効果は抜群」。宣伝費の9割をテレビ向けに使っているというが「遠くない将来、テレビCM費用は今の5分の1くらいまで減らせると思う」。最終的には、広告宣伝を5000万円程度に抑えたい考えだ。

 だが悩みもある。URLの認知度が、同社サイトへのアクセスには必ずしもつながっていないことだ。1日あたりの総ページビュー(Blogなどユーザーページも含む)は多くて5万程度。「コンテンツがつまらないから、繰り返し来てもらえない。面白いサイトにして、今年末までには1日のPVを100万に伸ばしたい」。

 アクセスアップの起爆剤が、6月にスタート予定の「ツカサネット新聞」と「安全・安価な出会い系サイト」だ。

ネット界の『噂の真相』を

 ツカサネット新聞は、市民記者(パブリックジャーナリスト)が記事を執筆するネットメディア。韓国で1日200万ユーザーに読まれ、政治や経済に大きな影響力を持っているとされるネット新聞「オーマイニュース」の日本版的位置づけを目指すという。

 川又社長は「新聞7紙に毎日目を通しているが、大新聞ほど事実しか書かない」と語り、例として地下鉄サリン事件を挙げる。「地下鉄サリンが起きる前、大新聞は、オウム真理教についてほとんど書いておらず、一般の人はオウムの名前も知らなかった。ただ週刊誌にはあることないこと載っていたし、個人的に『何かおかしい』と感じることもあり、ある勉強会で『近いうちにオウムが何かするだろう』と話した」――それが的中したというわけだ。

 ツカサネット新聞は、「オウムが何かしそう」といった、うわさも含めた主観を掲載することで、事実だけの報道からは見えなかった“真実”をあぶりだしたいという。「『噂の真相』のネット版にしたい」。

 パブリックジャーナリストは、新聞広告などで募集した。全国紙の記者経験者など、100人以上の応募があったという。記者は直接雇用したり、外部ライターとして出来高払いで働いてもらう予定だ。

「5年後、結婚相手探しには困らなくなる」

 「今、誰がやってもアクセスを取れるコンテンツは、アダルトと出会い系だろう。アダルトはツカサの立場でやる訳にいかないが、出会い系ならできる」――6月から第1弾を開始するという出会い系サービスで、アクセス数の飛躍的な向上をねらう。

 「今ある出会い系はインチキばかり」。川又社長はリサーチのため、出会い系サービスをいくつか使ってみたが、最初は無料でもすぐにお金を請求されたり、“寂しい女の子”と称する人からの大量なメッセージに辟易したという。「最近報道があった出会い系では、女の子は全くいないのに、女の子を装ってユーザーにメールを送り、何千万円も売り上げていたと聞いた。つまりインチキでもビジネスとして成り立つほど大きなニーズがあるということ」

 作りたいのは、結婚相手を探すための“真剣な”出会い系だ。「結婚のための出会いは人生で一番大事なことなのに、それを支援するサービスがインチキしかないというのはおかしい。きちんとした結婚紹介所もあるが、とんでもなくお金を取る」。ツカサの出会い系は、低価格か無料で提供する予定。ユーザーが自分プロフィールや相手に希望する条件を公開し、気に入った人と実際にデートできる環境を作るという。

 安さと信頼性が人気を呼び、数十万、数百万人単位のユーザーを集めれば、おのずとビジネス化が見えてくるという。「1人あたり1円や10円の課金でも、莫大な収益になるだろう」。

ネットは“本音の世界”

 川又社長によると、同社は10年ほど前からネット事業への参入を試みてきた。しかし「当時は、ネットの方がついてこなかった」。例えば、タレントの卵が自己アピールするテレビ番組を作成。タレントのデータをネットに掲載し、興味を持った人に見てもらおうと考えたが、ネットユーザーがあまりにも少なかったためFAXに切りかえた。

 だが「ネットの普及スピードは予想以上で、今となってはうちの方が遅れてきてしまった」。技術スタッフを社内に配置し、Blog、SNS、ネット新聞、出会い系と、サービスを一気に立ち上げて巻き返しをはかる。収益度外視でスタートすることで圧倒的優位を確保し、トップに立ったところで、先行者優位を生かしてビジネス化する計画だ。

 「インターネットは本音の世界。“そんなバカなことはあってはならない”と思うようなことを、声を出し、変えていける手っ取り早いフィールドだと思う。本音から、あるべき世界の姿ができる」

 川又社長によると、まずアダルト分野がネットで流行し、人間の欲望をストレートに反映した本音の世界を実現した。同社が始める報道と出会い系でも、本音の世界を作るという。

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