RSSはブロガーだけのものではなくなる
多くの人たちと同様、RSSが舞台に躍り出てからというもの、わたしはある疑問を抱いてきた。RSSはわたしに何の得をもたらすのか、ということだ。ポッドキャスティングを聞いたり、たくさんのブログを読んだりする人でなければ、RSS――「Really Simple Syndication」の省略形――にはあまり関心を引かれないだろう。だが、もうそんなことはない。
MicrosoftはRSS経由の購読を、同社の情報アクセストライアングルの3本目の柱にすることにした。残る2本の柱は、ブラウジングと検索だ。RSSが加わることで、ユーザーはいったん興味のある情報を見つけたら、その情報が変更されたときに最新情報を簡単に、継続的に受け取ることができる。
RSSはLonghornとInternet Explorer(IE)7に組み込まれ、向こう4カ月のうちに両製品のβ版でお目見えし、開発者仕様としてもリリースされる予定だ(6月25日の記事参照)。IE 7はWindows XPにも対応するため、現在のMicrosoftユーザーは幾つかのRSS機能を手に入れられる。だがその真価は、LonghornでRSS対応アプリケーションが登場するまでは見られないだろう。
Microsoftの発表の重要性を理解するには、皆さんがRSSに関して知っていると思っていることを忘れた方がいい。わたしたちがブログやポッドキャスティングで目にしてきたものは、購読技術をOSそのものに実装したときに何ができるかを示すヒントにはならないのだ。
OSの文脈では、RSSはOSがXMLデータを見て処理し、その情報をアプリケーションに示してユーザーに表示する手段だと考えなくてはならない。例えば、LonghornユーザーはOutlookを利用して公開カレンダーを購読し、興味のある特定のイベントを選択して、その詳細が変更されたときに更新情報を受け取る可能性がある。ユーザーはほかのリストでも検索結果でも文書でも、開発者がサポートしようと思ったものを何でも購読できるかもしれない。
その点に関して、Microsoftは口をつぐんでいる。6月24日の発表はIE 7とLonghornに関するものだけで、同社が自社アプリケーションでRSSをどうサポートするかは明らかにされなかった。Longhorn用アプリケーションの開発者は今秋に仕様を手に入れられるが、Microsoftは自社開発ツールへのRSS実装についても明かさなかった。次期版Microsoft OfficeはRSS対応なのだろうか? わたしたちにはそれを願うことしかできない。シンプルなWebツールでRSSコンテンツを作れるようになるのだろうか? 考えても答えは分からない。時間、業界のサポート、ユーザーの関心がものを言うだろう。
RSSへの取り組みにおいて、Microsoftは「Really Simple」はあまりにシンプルすぎることに気づいた。OSレベルでのサポートを別にすると、同社のRSSへの大きな貢献は、この技術を今手が届く範囲以上に拡大するのに必要な一連の「Simple List Extensions」を開発することだ。
Microsoftのゲリー・シェーレ氏はわたしに、基本的なRSSは一度に1件ずつ順番に現れる情報の処理には優れていると語った。RSSのルーツにブログコミュニティーがあることを考えると、これは意外ではない。Microsoftの拡張機能は、先のカレンダーの例のようにデータのリストの購読・操作を可能にするもので、RSSの最も一般的な用途になるかもしれない。
今回の発表は、10年前にビル・ゲイツ氏が立ち上がり、インターネットをアクセスしやすく便利にすると約束した時に匹敵するものではないが、それでも非常に素晴らしい。
わたしはRSSが特におもしろいことをしていると感じたことはない。その機能はあまりに限定されている。だがMicrosoftのリスト拡張機能、そしておそらくはそれを支える同社の影響力により、RSSは3年かそこらで非常に具体的な情報の購読を、ユーザーの一般的な体験にするかもしれない。
やるべきことはたくさんあるが、購読モデルはMicrosoftの「新しい仕事の世界」――わたしたちにとって幾らか興味深いものになると確信している――のかなり大きな部分を占めるようだ。
その過程で、RSSの名前が消えて、RSS対応アプリやRSS形式データの「購読」機能のようにもっとシンプルなものになるとわたしは期待している。ユーザーはRSSの3文字が何を意味しているのか、シンジケーションとは何なのかを覚えておかなくてもいいはずだ。彼らは単に情報へのより優れたアクセスを必要としているだけなのだ。Microsoftが思い描くRSSは、大きな前進と言える。
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「楽天銀行から数百万が勝手に移動」「残高が0に」……楽天証券のシステム不具合、連休中に発生
-
2
「クリスタ」素材、大量非公開でユーザー混乱 人物だけでなくペンや公式素材まで セルシス「誤判定もあった」が……
-
3
台風25号で“地下神殿”また稼働 雨水が流れ込む動画公開 今年度7回目で過去最多に
-
4
大雨で「首都圏外郭放水路」稼働 濁流が“地下神殿”を満たすまでの動画公開 国交省
-
5
JCOM障害「インターネットが使えない」 サポート窓口もつながりにくく
-
6
NTT東西が「にじさんじ電報」発売 ポップアップ台紙にはライバーの複製手書きメッセージ
-
7
楽天証券、追加認証の必須化で一部にトラブルか 「無限ループ」「ログインできん」
-
8
「モンスト」キャラの声をAI生成、MIXIのニュース紹介企画に批判続出 実施見合わせへ
-
9
J:COM「ネットつながらない」障害、約9時間で復旧 原因は「調査中」
-
10
ゼロから声を作れる音声生成モデル「Gemini 3.8 Flash TTS」公開 「Gemini Notebook」でも利用可能に
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR