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ゲイツ氏、過度なアウトソーシングに警鐘

» 2005年06月30日 08時08分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Microsoftのビル・ゲイツ会長は6月29日、日本の企業幹部に向けた講演で、会社の基幹事業の業務と人材はアウトソーシングすべきでないと警鐘を鳴らした。

 ゲイツ氏は日本経団連で講演、IT企業に対し、経費削減目的の過度なアウトソーシングには注意し、主要エンジニアリングリソースと知的財産は社内にとどめておくよう助言した。

 「ほかの企業や国に頼りすぎると、あらゆる革新を生み出す自分の頭脳をアウトソーシングすることになる」とゲイツ氏。

 競争が激化しつつある国際市場経済に対応するため、研究開発投資の拡大が必要な時において、これら予算を削減している米国企業があまりに多いとゲイツ氏は指摘。自国の経済を技術革新の最先端にとどめようとするなら、米国と日本は国家レベルでより多くの優秀なエンジニアを育てる必要があり、それによって高い生活水準を維持する一助となる価値が創出されるだろうと述べている。

 米国と日本は、20年前の約10億人から現在では40億人に拡大した世界市場経済の中で競争しているとゲイツ氏は言い、競争激化の中にあってインドと中国がエンジニアを育成して経済活性化につなげているのに対し、日本と米国はこれに追いついていないと語った。

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