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USBプラグインで使えるポータブルLinuxサーバが登場

» 2005年08月11日 23時07分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Windows PCのUSBポートにプラグインできるポータブルLinuxサーバを、ユタ州に本社を置く小さな会社が開発した。

 サンフランシスコで開催中のLinuxWorld Conference & Expoで発表されたRealm SystemsのBlackDogサーバは、第一印象ではギークが好みそうなアイテムに見えるかもしれないが、同社では最終的には企業内でビジネスに使われるようになると見込んでいる。

 1.6オンス(45グラム)のサーバはUSBパワーで動作し、PCで動作するための特別なソフトウェアは必要としない。BlackDogはホストPC上からはCD-ROMとして認識され、プラグインされた状態で自動的にブートできる。一度ブートしてしまえば、ホストマシンの周辺機器やネットワークリソースすべてにアクセス可能。Linux、Windows 2000、Windows XPで動作するPCと互換性があるとRealmは説明している。

 BlackDogは内蔵型指紋リーダーも組み込んでいる。認証されたユーザーのみが作業できるようにするためだ。この製品を企業内で利用するためには、バイオメトリクス方式のリーダーは鍵となる。

 Realmは9月、エンタープライズ版BlackDogとしてRealm Mobile Personal Serverを投入する計画だ。同じく新製品のRealm Management Routerと組み合わせることにより、ファイアウォール外のネットワーク経由でセキュアなアクセスを可能にするという。「セキュアなタネリングを実現する。数百ドルでVPN可能なデバイスをポケットに入れて持ち歩くことができる」とRealmのマーケティング担当副社長であるショーン・カニンガム氏。

 この小型Linuxクライアントにはバイオメトリクス認証が組み込まれており、PCにプラグインするだけで利用できるため、旅先から自分の会社のVPNにログオンすることができ、便利だとカニンガム氏は説明する。

 ポータブルなLinuxサーバにとって現実的な用途は見つからないかもしれないが、RealmではBlackDogの早期リリースによりオープンソースコミュニティの革新性と創造性を活用し、Linuxサーバの画期的な利用方法が考案されるかもしれないと期待している。

 BlackDogは400MHz版PowerPCプロセッサでメモリは64Mバイト。199ドル版は256Mバイトのフラッシュメモリ搭載。512Mバイトフラッシュを搭載した239ドルのモデルも用意されている。OSはDebian Linuxをベースにしている。

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