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各社のブログを「シール」でつなげる――出遅れたBIGLOBEの新戦略

» 2005年08月26日 15時46分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 NECのISP「BIGLOBE」が8月1日に公開したブログ添付用ツール「ウェブリシール」は、ブログ参入で一歩出遅れた同社の起死回生策だ。ブログの音声読み上げツールやスライドショー機能、チャット機能などを添付でき、タグを張り付けさえすれば他社のブログでも利用できるのが特徴。他社ブログのユーザーにも使ってもらい、自社サービスの認知を高める狙いだ。

ウェブリグログのトップページ

 BIGLOBEのブログ「ウェブリブログ」は、ニフティのココログやライブドアブログを追いかける格好で2004年3月にスタート。簡単にトラックバックを送れる独自機能などを備え、初心者に分かりやすいサービスを目指した。

 しかしユーザー数は伸び悩む。当初は2004年末までに100万ユーザーの獲得を目標にしていたが、現在のユーザー数は約10万人。立ち上げの遅れが響いた。8月から提供しているウェブリシールで、他社ブログにはない個性的な機能をアピール。認知を高める作戦だ。

 ウェブリシールは、専用HTMLを貼り付けるだけでブログに多様な機能を付け加えられる。他社ブログやWebサイトにも張り付け可能。URLをメールに張り付ければ、メールからシールにアクセスすることもできる。ウェブリブログを使っていないユーザーも巻き込み、同社サービスへの入り口にしたい考えだ。

 8月に公開したシールは4種類。ブログテキストを好みの音声で読み上げる「音声合成シール」、サイトから独自メッセンジャーを利用できる「チャットシール」、アルバムサービス「ウェブリアルバム」の画像をスライドショー表示できる「アルバムシール」、プレゼント抽選画面を表示する「スクラッチシール」だ。

 最も人気があるのは音声合成シール。NECメディア情報研究所で開発した音声合成技術を駆使。宇宙人風や相撲取り風など、ユニークな声でブログを音声再生できる。ポッドキャスティング対応も検討しているという。

音声合成シール。音声再生時は、テキストの母音に合わせて口が動く

 チャットシールを貼り付ければ、ブログ上からブログオーナーのメッセンジャーに話しかけることができる。メッセンジャーも新たに独自開発したという力の入れようだ。

チャットシール

 公開から3週間経った今、全シールの利用数は3500程度。来年3月までに20万ユーザーの獲得を目指すという。口コミでじわじわ広げていきたい考えで、有名人のブログで利用してもらうなどしてPRしていく。

 今後は、動画連携できるシールなど、シールの種類を順次増やす。ツールを張り付けることでブログを多機能化させ、最終的には、ソーシャルネットワーキングサイト(SNS)のマイページのように、ブログ画面を充実した個人ツールにしていく考えだ。

 「ブログは今、どのサービスもテキストと画像だけ。見た目はほとんど変わらない。差別化はこれからだ。ブログの第2ステージが始まる」(NECパーソナルソリューション企画本部の田中秀宗氏)

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