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» 2005年09月02日 08時53分 UPDATE

「価格競争から身を守ることが目的」――Intel、AMDの独禁法訴訟に反論

Intelは不正行為の主張や「AMDプロセッサの方が技術的に進んでいる」との申し立てを否定し、「競争法という美名の下で、AMDは自分の身を競争から守ろうとしている」と反論している。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 米Intelは9月1日、AMDによる独禁法違反の申し立てに対する正式な回答を提出し、同社はいかなる法律にも違反していないと否定するとともに、AMDは競争から自分の身を守ろうとしていると批判した。

 AMDは6月末に、Intelがプロセッサ業界における主要サプライヤーという地位を不正に利用し、AMDをDell、Hewlett-Packard(HP)、Gatewayなどが販売するPCおよびサーバから排除しようとしたとして訴訟を起こした(6月28日の記事参照)。Intel幹部は以前に不正行為を否定したが、1日にデラウェア地区の米連邦地裁にAMDの申し立てに対する正式な回答を提出した。

 「革新、投資、カスタマーフォーカス、優れた製品がIntelを何年にもわたる成功に導いた」とIntelの顧問弁護士ブルース・セウェル氏は1日に配布された声明文で述べている。「競争法という美名の下で、AMDは自分の身を競争から守ろうとしている。彼らはIntelが価格を引き下げられないようにし、それによって自分たちがもっと高い価格を課せるようにしようとしている」

 63ページにわたる答弁書の中で、Intelは数カ月、あるいは数年にもわたりそうな訴訟への法的戦略を明らかにしている。Intelは、同社の行為ではなく、AMDの事業決定がプロセッサの市場シェアに関係していると主張する意向だ。Mercury Researchのデータによると、Intelはx86命令セットに対応したデスクトップ・ノートPCおよびサーバ向けプロセッサの80%以上を出荷しており、AMDのシェアは約17%だ。

 AMDの訴状には、AMDプロセッサの採用に上限を設けた、あるいはAMDプロセッサをまったく採用しないPC・サーバメーカーにIntelがリベートを提供したとある。AMDは、この主張を裏付ける文書を提出できると考えており、多数のPC企業にプロセッサ購入に関する書類を求める召喚状を送り始めた。

 Intelは、PCメーカーに対して製品販売支援のためにいわゆる「市場開発資金」を提供したこと、需要引き上げのためにDellなどの顧客に割引を提供したことは認めたが、購入のレベルに基づいてPCベンダーに金を支払ったことは否定した。

 「AMDから購入するかどうか、そして購入する量の決定は、圧力や反競争的な条件なしで顧客により行われた」とIntelは答弁書で述べている。

 Intelは具体的に、Gateway、ソニー、NECなど多数のPCベンダーへの支払いを否定し、同社幹部がAMDプロセッサを採用すれば報復するとPC企業、流通業者、小売業者を脅したというAMDの主張も否定した。

 「AMDのとりどりの言い回しと非現実的な主張でも、価格競争から身を守るという彼らの目的を隠すことはできない」(Intelの答弁書より)

 Intelの弁護士は、多数の否定コメントに「AMDの市場シェアが少ない原因は、同社の製造能力に求めることができる」という共通のテーマを織り込んだ。Intelは十数の半導体製造施設(fabと呼ばれる)を稼働させているが、AMDにはドイツのプロセッサfab 1カ所と米テキサス州オースティンのフラッシュメモリfabしかない。同社は来年、ドイツの新しいfabで製造を開始する予定だ。

 予想通り、IntelはAMDプロセッサの方が技術的に進んでいるとの主張も否定した。同社はPentium Mを挙げ、スーパーコンピュータトップ500リストのうち333台のシステムがIntelプロセッサを採用しているという点を指摘した。

 しかし、半導体アナリストとサードパーティーのレビューでは、一貫してAMDのAthlon 64とOpteronの方が高い成績を出している。これらプロセッサは32ビットx86命令セットに64ビット命令を加えた初のプロセッサであり、統合型メモリコントローラを採用してデスクトップとサーバの性能を高めている。IntelのPentium Mは一般的に、急速に成長するノートPC市場においてAMDのTurionに先行していると見られている。

 Intelによると、PC企業がIntelプロセッサを選んできたのは、同社の製造におけるリーダーシップ、価格、強力な将来のロードマップが理由だという。同社は先週、消費電力を抑えて高性能を実現することに重点を置いた新設計で将来のプロセッサを構築する計画を発表した(8月24日の記事参照)

 「本日の答弁書は、この訴訟における次のステップだ」とIntelの広報担当トム・ビヤマン氏。その次のステップは、裁判地での和解に向けた審理になる。これは現時点では証拠開示手続きの開始後に、デラウェアで行われる予定だ。Intelの本社はカリフォルニア州サンタクララにある。

 AMDは、年内に審理に入りたいと話した。

 「Intelが隠そうとしているものを考えると、彼らの回答は意外なものではない。だが、独占力乱用の事実は明白であり議論の余地がない」とAMDの法務担当執行副社長で管理業務責任者トーマス・マッコイ氏は1日に配布した声明文で述べている。「業界全体、そして全世界にわれわれの証拠を見せるのを楽しみにしている。真実をさらけ出し、裁判所の判断を仰ごう」

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