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DellとPalm、PDA新モデルをそれぞれ投入へ

» 2005年09月20日 10時09分 公開
[Matt Hines,eWEEK]
eWEEK

 米Dellと米Palmが、新たなPDAを用意しており、早ければ今週中にも販売開始される見込みだ。両社に詳しい複数の情報筋が9月16日明らかにした。

 Dellが発表する見込みのPDAは現行の「Axim X50v」のアップデートモデル。VoIP技術をオプション提供し、MicrosoftのWindows Mobile 5.0 OSを搭載するもよう。

 新モデルは「X51v」と呼ばれ、サイズは現行と同じになると伝えられている。現行モデルは3.7インチディスプレイを装備、価格は424ドル。

 また採用プロセッサも現行と同じ624MHz版 Intel Xscaleが採用されると、業界観測筋は語っている。

 X51vモデルにおける最大の特徴は、最新のMicrosoftモバイルOSへの移行になるもようで、このほかモバイル対応Media Player 10に加えヘッドセットから通話ができるとされるVoIPソフトがオプション提供される見込み。

 今週中の発表が噂されているこの新モデルでは、Bluetoothワイヤレス技術を採用したDellのGPSナビゲーションシステムもオプションで提供されるという。

 この製品に関するコメントをDell担当者に求めたが、本稿掲載時までに返答は得られなかった。

 一方、Palmは、現行PDA「Tungsten T5」の代替モデルとなる「Tungsten X」を発表する見込みで、販売開始は今秋中と伝えられている。

 同製品にはPalm OS 5.4.9(Garnet)および312MHz版Intel Xscaleプロセッサが採用されるもよう。

 このほかTungsten XはT5と同じ320×480ピクセルディスプレイ、新たなWi-FiおよびBluetooth接続、デジタルカメラ、音声録音機能を装備する。T5の小売価格は349ドル。

 情報筋によれば、Palmは「Zire」シリーズでも新モデルを発表する見込みだが、詳細はまだ分かっていないという。Palm担当者に電話でコメントを求めたが、未発表製品の計画についてはコメントできないとの回答だった。

 少なくとも1人の業界観測者が、これら2つのデバイスは主にモバイル向けアプリケーションを活用するビジネス市場を土壌とすると見ているが、コンシューマーに向けた将来のPDA市場の方向性については未知数だとしている。

 調査会社米Gartnerのアナリスト、マーティン・レイノルズ氏は、コンシューマー間では、大きめのデバイスよりも、いわゆるスマートフォン――PDA的な機能を持ち合わせた携帯電話――の需要が高まっていると話している。

 「ビジネス以外に、PDAを使っている人はほとんど見かけなくなっている。この市場がこの先成長するとは感じられない」(同氏)

 「コンシューマーは、スマートフォンプラットフォームへの融合を押し進めている。PDAが持つスケジュール管理的な機能を欲しながらも、ポケットに収まる携帯電話より大きなデバイスは持ちたくないからだ」

 Research In Motion(RIM)の「BlackBerry 7100」シリーズのような、人気の携帯電話とPDAフォームファクターの間に位置し、スマートフォンと同じ多くの機能を搭載したデバイスは、今後も購入者を引きつけるだろうとレイノルズ氏は見ている。しかし同じ機能を提供するより小型の製品が登場すれば、多くのコンシューマーはそれを求めるだろうと予測している。

 「(コンシューマーは)主に音声、テキスト、そしてある程度のスケジュール管理機能を求めているが、スマートフォンでそれが提供されればPDAは必要としなくなる」

 「VoIPのような機能の追加はDellとしては興味深い動きだが、VoIPのテクノロジー自体、まだ成熟しているとは言えない。しかもこれらの製品は、現在活力が失われている市場分野に投入されている」と同氏は言い添えた。

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