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» 2005年09月22日 08時56分 UPDATE

ポッドキャスティングと広告の相性

缶コーヒー「ジョージア」のPR番組がポッドキャスト配信され、ポッドキャストの広告利用が注目を浴び始めた。ポッドキャストと広告の相性や、ネットと既存メディアの関係を、ジョージアのPRを担当した渡辺英輝さんに聞いた。

[岡田有花,ITmedia]

 ポッドキャスティングの広告活用が始まっている。日本コカ・コーラは缶コーヒー「ジョージア」のプロモーションサイトで、スポーツ選手などのインタビュー音声をポッドキャスティング配信して注目を集めた(関連記事参照)

 発案したのはビーコン コミュニケーションズのインタラクティブ ストラテジック プランナー・渡辺英輝さん。日本で初めてブログによる商品PRを仕掛けた人でもあるが、ブログもポッドキャスティングも手段の1つに過ぎないとし、安易にネットに頼る風潮を疑問視している。「ネットには得意・不得意がある。目的に合ったメディア組み合わせていくべき」

photo 渡辺さんはラジオ好きで、J-WAVEのヘビーリスナーという。J-WAVEもいち早くポッドキャスティングに参入した

 渡辺さんがポッドキャストの活用を提案したのは、ジョージアの広告キャンペーンメッセージ――夢に向かって前向きに頑張っている若者を応援する――を伝える最適な媒体と感じたからだった。

 “夢を追いかける素晴らしさ”を文章にしてしまうと、どこかクサい。かといって、映像やゲームのようなコンテンツもしっくりこない。――悩んだ結果、たどりついたのが音声だった。「歌詞でもそうですが、文章にするとちょっとこっぱずかしいような内容も、音声ならスーッと入ってくることがあります」

 トーク番組形式で音声コンテンツを作ることが決定。柔道の谷亮子さんなどアスリートに、夢について語ってもらったインタビューを配信することになった。そのころちょうどiTuneがポッドキャスティングに対応し、国内でも盛り上がり始めていたため、ポッドキャストとストリーミングを組み合わせることにした。

photo ジョージアのポッドキャストサイト「Radio GEORGIA Special Dream Navigators」

 番組枠の確保が必要なラジオと違い、ポッドキャストはコンテンツとサーバさえあればいつでも公開できるため、思い立った1カ月後には番組を配信できた。コンテンツの長さを自由に決められるのもメリット。ダウンロード数が分かるため、広告効果も測定しやすい。

 今回のプロモーションでは、10分間強の番組を5種類、1カ月間にわたって配信。ダウンロード数は非公開だが反響は大きく、「成功した」と渡辺さんは話す。「ラジオのスポンサード番組のように、企業が提供するポッドキャスティング番組は今後、増えていきそう」

日本初のブログPR、誕生の背景

 国内で初めてのブログを使ったプロモーション、P&Gの「I ラブ 困ったさんコンテスト」を発案したのも渡辺さんだ。家庭で家事を増やす“困ったさん”を募集してブログに掲載し、トラックバックで人気投票をするという企画で、ビジネスブログブームのさきがけとなった

(関連記事参照)。この企画もブログありきではなく、目的に最も合った手法を幅広く探した結果、ブログに行き着いたという。

 P&Gからの要望は、「“困ったさん”が登場する参加型コンテンツにしてほしい」というもの。参加型コンテンツの王道といえば公募作文だが、募集から受賞作発表まで間が開いてしまう。募集しながら随時Webで発表してみてはどうかと考えたが、頻繁に更新すると制作コストがかさむ。「ブログなら簡単に更新できる」――当時から個人的に利用していたブログの活用を思い立ったという。

「電車男」――ネットと既存媒体融合の成功例

 「マーケティングは“やりたいこと”ありきなんです」と渡辺さんは言う。マーケティングの目的をまずはっきりさせて、その後手段を選び、最適なものを組み合わせるのが順当。「ブログが流行しているから、とにかくブログでマーケティングしてみたい」――そんな考え方は本末転倒という。

 最高の効果を得るには、各メディアの特性を理解し、目的や予算に合わせて、ネットと既存メディアを上手に組み合わせる必要があるという。

 ネットは基本的にプル型。ユーザー自ら情報を取りに来てもらえるように仕向けるのが得意だ。これに対しテレビやラジオはプッシュ型。ボーッとしていても情報が入ってくる。

 情報を探しに来てもらったり、フィードバックが欲しいならネットを、マスに向けて強力発信したいならテレビを――というように、使い分け、組み合わせるクロスメディア戦略が今後重要になるという。

 クロスメディアの成功例は「電車男」だ。ネットから始まり、書籍、映画、テレビと、全媒体を網羅して、誰もが知るコンテンツになった。「メディアが変われば、コンテンツも変わる」。各媒体ごとにストーリーや見せ方を変えた電車男のように、媒体に合わせて内容を変える柔軟性も必要だと指摘した。

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