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» 2005年10月17日 12時09分 UPDATE

先週最も得した企業はRealNetworks

GoogleとComcastによるAOL株折衝、MicrosoftとRealNetworksの和解、AppleのiTMSでのテレビ番組販売の発表――先週は業界激変を思わせるニュースが並んだ。

[David Coursey,eWEEK]
eWEEK

 先週は変わった組み合わせのカップルが生まれた1週間だった――報じられたところによると、GoogleとComcastがAOLの少数株取得に向けた話し合いを進めており、またMicrosoftとRealNetworksは7億6100万ドルの和解金で独禁法訴訟を決着させた。そうそう、それからAppleは喧伝してきたビデオ対応iPodと、ほとんど前宣伝をしなかったメディアセンター的なiMac新モデルをリリースした。

 この一連の動きの中で最大の勝利者はReal Networksだ。これまでに被った損失すべてを補うに十分な和解金をMicrosoftから取り付けた。10年前に事業を興し、利益を出すようになったのはわずかここ1年ほど――しかもその額は微々たるもの――の企業としては、悪い話ではない。

 Microsoftが提供する和解金額は、Realの年商の2倍以上、同社の株式市場における時価総額の半分以上になる。絶え間なく奮闘を強いられてきた企業としては悪い取引ではない。この和解金をRealの過去10年間の運営に充当すると、実際、Realの業績はかなり良くなる。

 もちろん、今回の和解取引はあくまでも単発的なものであり、まして全額が現金で支払われるわけではない。3億100万ドルは、Microsoftが向こう18カ月間提供するマーケティングサービスの中で支払われる。

 Realはまた、Microsoftのメディアプレーヤー技術にアクセスできるほか、自社のオンラインゲームをMicrosoft顧客に提供する。これにより、Realがソニーと結んでいる契約が事実上無力化する。一部では、MicrosoftがXboxに向けた新たなベストパートナーを取得するという意味で今回の取引を重要視しているが、おそらくそうなるだろう。

 さらに私が興味深く見ているのは、今回の和解によって、RealとMicrosoftが互いのメディアフォーマットをサポートし始めるかどうかである。顧客はデスクトップ上で複数のプレーヤーを使いたくないが、WebサーフィンをするにあたってMicrosoftとRealの両方を使わざるを得ない状況にある。

 Realは最近のテクノロジー戦争で不利な形勢にあるようだが、(少なくとも私なりの独自調査では)インターネット放送のファイル形式においては依然支配的地位を維持している。Realのファイル形式をWindows Media Playerで使えるようになれば、私としては非常に助かる。

 MicrosoftとRealは手を組むことで、それぞれ単独で戦うよりも効率的にAppleのiTunes Music Storeと競争できるだろう。RealにはRhapsodyのような音楽配信サービスやゲームといった製品が幾つかあり、Microsoftはこれらを自社製品に統合するかもしれない。

 Realが独立企業としていつまで続くかを見届けるのも興味深い。同社の経営がまだ成り立っていることに正直かなり驚いている。もちろん、Microsoftによる現金注入はRealに数年生き延びる猶予を与えるだろうが、Realが再び寒空の下に凍えるという基本的な方程式に変わりはない。

 思うに、Realが最も望むのは「独立」を維持しつつMicrosoftの従僕となることだろう――Microsoftに買収される前、数年にわたってこの状態が続いたVisioのように。MicrosoftがRealを失うにはあまりにも同社に依存し過ぎた場合、Microsoftはいつの日か、Realの株主が喜んで受け入れるオファーを提示してくれるだろう。

 もしくは、この点に関してまったく見当違いをしているかもしれない。MicrosoftとRealは表向きだけ仲良く見せ掛けているのであって、意味のあるパートナーシップに発展しない可能性も大いにある。私はそう思わないし、そう信じたくないが、可能性としてはある。

 Microsoftにしてみれば、同社の前には現在も、少なくとも北米では独禁法訴訟が控えている。Realの主張は、Microsoftが抱える欧州連合(EU)との確執のそもそもの火種だったわけだが、この問題がすぐに消えるわけではない。今回の和解発表の目前、EU当局は対Microsoft訴訟を続行する計画だと語った。ただし時間の経過とともに、この争いもその意味をなさなくなるだろう。

 さてGoogle、Comcast、AOLに関してだが、一連の報道は、「Googleは大金を投じて、成長に向けた何かを目論んでいる」という私が以前示した見解を再確認させてくれるものだった。Disney買収提案が失敗に終わったComcastの次なる選択肢がAOLへの投資というのは納得がいく。(AOLの親会社)Time Warnerは、他社が自分の頭痛の種を一部背負ってくれることを幸せに思うだろう。

 もし先週が何かを予兆させるものならば、世界は今、3つの陣営に分かれつつある。Time Warner、Comcast、Googleのメディア企業、MicrosoftとRealのテクノロジー企業、そして少なくともDisneyと多少つながりがあり、Pixarと依然強いきずなで結ばれているAppleだ。それぞれの陣営の組み合わせは、ご覧の通り互いに大きな強みと弱みを持ち合わせている。

 しかしこのほかにも多くの傍観者が存在する。まったく影響力のない企業もあれば、あえて静観の構えを続ける主要エンターテインメント/メディア企業もある。いずれにしろ、この世界は明らかに変化している。そして先週は、その変化が最も顕著だった1週間だった。

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