ベッド転落防止に赤外線を、忘れ物防止に電波を――「産業交流展2005」(10月25〜26日、東京ビッグサイト)には、広く普及した技術を活用し、生活をちょっぴり便利にしようというアイデアが集まっている。
高齢者がベッドから転落したり、徘徊(はいかい)する前に駆けつけたい――ヨシキタ電機は、赤外線センサーで介護をサポートする赤外線センサー「かん太郎くん」を出展している。
枕元に設置しておけば、起き上がった際にセンサーが感知し、ブザーやナースコールを鳴らす。上半身を起こせない人向けにはベッドのわきにセンサーを設置。ベッドからずり落ちる手前で感知する。
老人ホームの理事長も兼務しているという同社社長のアイデアで生まれた。入所したての高齢者の活動時間やトイレタイムの把握にも活用できるという。
東海技研の駐輪場用ゲート「サイクルン」の売りは、“手動”だ。電動ゲートの不都合を、手動にすることで解消したという。
ICカードで認証するとロック解除。車輪でゲートを押せば、軽い力でゲートが回転し、通り抜けるとゲートは元の位置に戻ってロックがかかる。
電動ゲートだと、前の人がさっと通り過ぎても、次の人はゲートが閉まるまで待たねばならず時間がかかった。ラッシュ時は、ゲートが開きっぱなしになってしまうケースも多かったという。手動のサイクルンなら、1人通り過ぎればすぐに次の人が入れる。「2〜3秒で通過でき、従来のゲートの約3倍のスピード」(説明員)。複数人が同時に通り過ぎるのも難しい。
“マウス症候群”防止に――ナレッジデザインは、湯飲みを逆さにしたような新デザインのワイヤレス光学マウス「真ん中demoマウス」を出展。体の正面に置き、軽く握って操作するスタイルだ。
「マウス症候群(マウス腱鞘炎)は、マウスを持つ時に手が不自然な体勢になることが原因の1つ」(ナレッジデザインの大貫竹彦取締役)。真ん中demoマウスなら、自然な角度で握ることができ、手や腕の負担が軽減できるという。
マウスの上部を握り込まないため、上部を自由なデザインにできる。ぬいぐるみと組み合わせて犬型にしたり、缶コーヒーそのままのデザインでマウス化し、ノベルティとして配布するといったアイデアを披露する。
水深15センチで30分間水没させても大丈夫という防水キーボード「弾」(税込み2万1000円)は、キーテックが出展。今年6月に発表して以来、多くのメディアに取り上げられたという。
キートップ底面のスイッチ部をラバーコーティングで覆い、水が入らないようにした。尿検査や血液検査の結果をキーボード入力する医療機関や、PCを利用している厨房など、キーボードが汚れやすい企業からの引き合いが強いという。
コスモテクニカの「うっかりセンサー」は、電波を活用した忘れ物防止装置だ。親機を自分で持っておき、子機を携帯電話や財布など、紛失しがちなものに付けて利用する。子機と親機が一定以上離れると警報音や振動で警告してくれる仕組みで、距離は1メートルから6メートルまで1メートル単位で設定可能だ。
子機のついたケータイをどこに置いたか分からない――そんな場合は、親機と子機が近づくとアラームが鳴る「Findモード」に設定。警報音を確認しながら親機のセンサーの感度を徐々に弱めていけば子機に近づける。「電波探知機と同じ仕組み」(説明員)
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