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Google、ホームタウンを全市Wi-Fi化へ

» 2005年11月17日 17時08分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Googleは11月16日、本拠地であるカリフォルニア州マウンテンビューでWi-Fiネットワークを構築するのに必要な承認を市当局から得たことを明らかにした。

 マウンテンビュー市議会は15日夜の会合で、市全域をカバーするWi-Fiネットワーク構築のために、Googleが市所有の街灯に無線アクセスポイントを設置することを満場一致で認めた。

 Googleの広報担当者は電子メールでの声明で、同社は「このプロジェクトを開始することを喜んで」おり、市民にWi-Fiサービスを提供するのを楽しみにしていると述べている。

 今回の決定は市議会にとって簡単だったようだ。マウンテンビュー市はWi-Fiネットワークの費用を負担しないどころか、実際に金銭的利益を得られると市議会のWebサイトの文書には記されている。

 「Googleが市所有の街灯に機器を取り付けることで、マウンテンビュー市は年間およそ1万2600ドル(年間の消費者物価指数の上昇に合わせて調整済みの額)を受け取る可能性がある。導入・維持コストはすべてGoogleが負担する。光熱費(推定で年間3000〜4000ドル)は当市が支払い、Googleがそれを全額払い戻す」(市議会の文書より)

 同市議会議員のトム・ミーンズ氏は、市民からはプライバシーや電波による健康問題を懸念する声も一部寄せられたが、市議らにはこの計画に異議を唱えるだけの説得力のある理由が見あたらなかったと語った。

 「基本的にはマイナス面はほとんどない」と同市は16日の取材の中で述べた。「これは実験だ。Googleはやれるかどうか見極めるために、ここで市場テストをしたいのだ。彼らは(そのことで)われわれに金を払うつもりだ」

 ただし、Googleは全市にWi-Fiアクセスを提供する前に、まだ幾つかの交渉を行わなくてはならない。市議会の文書によると、マウンテンビュー市には、市ではなくPacific Gas & Electric(PG&E)が街灯を所有している地域もある。

 Googleは、PG&Eと協力して街灯を利用するか、これら地域をカバーするための機器を開発するつもりだという。だがミーンズ氏は16日に、この計画でマウンテンビュー市全体がカバーされるかどうかはまだ分からないと語った。

 同社はマウンテンビューのネットワークを、同社が全市レベルのWi-Fiアクセスを提供できることを大都市の関係者に示すための試験場として利用したい考えだ。マウンテンビュー市は約7万2200人の住民を有し、サンフランシスコから約40マイル(64キロ)に位置している。同社は既に、同市の地元企業2社と、サンフランシスコの繁華街ユニオンスクエアにWi-Fiアクセスを提供している。

 Googleは10月に、サンフランシスコ市のギャビン・ニューソム市長の全市レベルの無料Wi-Fiアクセス計画に、サービス提供企業の候補として名乗りを上げた(10月3日の記事参照)

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