NTTコミュニケーションズは11月21日、個人ユーザー向けIPv6接続サービス「OCN IPv6」を12月上旬に始めると発表した。ISP「OCN」会員を対象に月額315円(税込み)に抑え、外出先からNAT内の自宅PC・機器へのリモート接続などが容易に行えるという。
IPv6パケットをIPv4パケットでカプセル化する「トンネリング」技術を利用し、IPv4、IPv6を併用可能。NTTコムのサーバを介して接続するため、無線LANやダイヤルアップなど、OCNに限らずインターネット環境があれば、外出先などどこからでもIPv6接続が可能だ。
固定、非固定それぞれ/64のグローバルIPアドレスブロックを提供。計2セッションを同時に使用でき、「自宅は固定、外出先は非固定」といった使用を想定している。
接続用クライアントソフトは無償提供するが、対応OSはWindows XPのみ。接続仕様は公開する予定で、Linuxなどでの対応も可能だ。「Windows Vista」ではOSが標準でIPv6に対応する予定。
接続ソフトから設定すれば、ブロードバンドルータの宅内側ネットワーク内の対応機器に自動的にプリフィックスを割り当てる。ルータにルーティング設定を追加しなくても、NATを越えたアクセスは容易に行えるとしている。
「商用サービスが月額数千円レベルでは個人には広がらない」(鈴木聡介・OCNサービス部担当課長)として安価な追加料金で利用できるようにした。ネットワークカメラによる宅内監視やホームサーバ、PCへのリモートアクセスといった用途を想定し、Webカメラなど対応製品メーカーとの販売連携もしていく。
「ユビキタス」「ネット家電」といったかけ声に反して意外に普及が進んでいないIPv6だが、鈴木担当課長は「今年はIPv4アドレスを急速に消費したため、アドレス枯渇問題が再燃してきている。このままだと2009年初頭には枯渇するという指摘もあり、数年後にIPv6が当然になるだろう」と話す。
個人向けサービスが普及すれば家電メーカーなどの対応にも弾みがつく。新サービスは設定を容易にするなどし、「IPv6の普及を妨げていると思われる使い勝手の悪さは取り除けた」(鈴木担当課長)。今後は携帯電話からの対応も予定する。だが急速な浸透は見込まず、まずは先進ユーザーからユニークな利用アイデアを募集するなどし、地道に普及に取り組んでいく構えだ。
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