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Dell、旧型PCをディスカウントショップで処分

» 2005年11月29日 14時46分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米Dellは今年の年末商戦期には、同社の有名な直販モデルに加えて、米国のディスカウントショップCostco Wholesaleを介して、一部の旧型のデスクトップPCとノートPCを販売している。同社の広報担当者が11月28日、確認した。

 Dellの広報担当者マイク・マヘル氏によれば、全米のCostcoの一部の店舗では現在、同社のDimension 4700とInspiron 2200がそれぞれ899ドルで販売されている。昨年には、同じ構成のシステムがもっと高い価格で販売されていた。両システムは、Costcoへのシステムの「一時割り当て」の一部であり、Costcoは自社のWebサイトまたは店舗で販売できることになっている。

 マヘル氏によれば、Costcoはこれまでにも自社のWebサイトでDellのシステムを再販したり、自社店舗でDell製品のプロモーションを行ったこともあるが、今回、顧客はDellのPCをCostcoの店頭から直接、家に持ち帰ることができる。両社の既存の関係を拡張したものだ、と同氏。

 世界PC市場のリーダーであるDellは、以前から小売りチャンネルの利用を渋ってきたが、2005年に入り、成長に伴う歪みも目立ち始めてきたことから、その姿勢にも変化が見え始めている、とCurrent Analysisの上級アナリスト、トニー・デュボア氏は指摘している。Costcoの店頭にDellのシステムが並んでいるのを最初に見つけたのはCurrent Analysisだ。Dellはここ最近の2四半期に売り上げ目標を達成できなかった理由として、米国の消費者市場での売り上げが振るわなかった点を挙げている。

 「350キロ以上もあるようなゴリラがさらに成長するのは難しい」とデュボア氏。QVCなどのホームショッピングチャンネルでのテレビCMや、ショッピングセンター内店舗の拡張などに表れているとおり、ここ数年、小売りチャンネルとの連携を目指すDellの動きが高まっている。

 だが同社は依然として、電話やWebでPCを販売する従来の直販モデルにもこだわっており、PCの直販という概念があまり定着していない中国などの地域で小売市場に参入するよう促すアナリストらの呼び掛けには抵抗している。

 「Dellが本格的に小売りに参入するとは思わない。だが、小売りチャンネルを活用すれば、古くなったコンポーネントをうまく売りさばけるだろう」とデュボア氏。

 Dimension 4700はIntelのPentium 4 540プロセッサを搭載するが、Intelの現行のPentium 4プロセッサやAMDのAthlon 64プロセッサの大半とは異なり、同プロセッサは64ビットOSをサポートしない。またDimension 4700は512Mバイトのメモリと160GバイトのHDDを搭載するが、これは、デュボア氏によれば、小売店舗に並んでいるそのほかのシステムと比べて若干見劣りのする構成だ。同じく、Inspiron 2200は4:3の標準15インチディスプレイを搭載するが、ノートPC市場では現在、ワイド画面ディスプレイが主流となっている。

 だがデュボア氏によれば、Costcoが販売しているこれら2種類のシステムには、ほかの店舗販売モデルよりも長い保証が付いているため、Dellは自社製品を差別化できる。

 なおマヘル氏によれば、Costcoへの店舗販売モデルの割り当てはDellの第3四半期(11月初頭締め)に始まっているため、今の時点では既に大半のシステムが売れてしまっている可能性もあるという。

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