求む、検索という“素材”の料理人――ヤフーのAPI公開
「ネット検索はこれからどう進化していくかは分からない。APIを公開すれば、さまざまな応用の中から次の動きが見えてくる」――ヤフーが検索サービスのAPIを公開した背景を担当者はこう語り、外部の技術者とのコミュニケーションから、技術の進化を探っていく構えだ。
同社はサービスの技術仕様(API)を開発者向けに無料公開するサイト「Yahoo!デベロッパーネットワーク」(YDN)をこのほど開設し、第1弾として「Yahoo!検索」のAPIを公開した。「完成度の高い検索サービスを作ったので、ヤフー社内だけでなく、ネット上の人々にも“料理”して欲しかった」と同社検索企画室の宮崎光世さんは背景を語る。
YDNを開発者コミュニティーに根付かせたい――こう考えた検索企画室の堀江大輔さんは、外部の技術者にAPIを活用したサイトを構築してもらって“実例”を見せながら、口コミでYDNを広げていこうとした。堀江さんのこの考えに応え、Yahoo!検索を最初に導入したのがはてなだ。
はてなはかねてから、サイト内にWeb検索を導入したいと考えていた。同社の伊藤直也最高技術責任者(CTO)は「Web検索は自社開発するとぼう大なコストがかかるが、APIならほとんどコストなしで取り入れられる」とベンチャーにとってのメリットを語る。
「検索はすでに確立した世界。今から入り込むのは現実的ではない。APIで公開してくれれば、それをベースにすることで、ベンチャーや個人の開発者でも、自分のサイトに合った検索サービスを実装できる」(伊藤CTO)
堀江さんによると、ヤフー検索のAPIは技術を勉強したての人でも、比較的容易に利用してもらえるという。はてなの吉川英興さんも「1日で導入できた」と手軽さを評価する。
「Web 2.0」の定義の進化に貢献
ヤフーの第一の使命は、国内最大ポータルして、ネットユーザーの大多数を満足させる最大公約数的なサービスを作ること。一部のユーザー向けの“遊び”の入ったサービスや、先鋭的なサービスは作りにくいため、その分外部の技術者に期待している。
宮崎さんは「次の検索をどうするか考えたときに、検索サービスで色々と遊んでくれるような“ギーク”に聞いてみる、というのはポイントだと考えた」とし、外部の技術者とオープンに対話しながら検索の次の形を模索する考えだ。
「ヤフーから一方的、マスメディア的にサービスを出すのではなく、ユーザーがヤフーのサービスを素材として自由に料理し、ヤフー“を”コントロールする時代が来つつある」(宮崎さん)。これは「Web 2.0」の考え方にも合致するという。堀江さんは「少し言いすぎかもしれないが、ヤフーがAPIを公開することで、日本でのWeb 2.0の定義も進化するかもしれない」と話す。
同社は今後もAPIの公開を進めていく予定。YDNのメーリングリストやスタッフブログなどを活用し、技術者同士の交流も深めていきたい考えだ。「メーリングリストに、APIを使って作った新しいサービスや質問をどんどん投稿して欲しい」(宮崎さん)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
2
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
3
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
4
GMO、PCのバックアップと電源オフ呼びかけ VPS利用者に きょう正午の攻撃予告受け
-
5
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
6
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
7
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
8
Apple、「iPad mini」を大幅刷新 8.5インチOLEDとA20 Pro搭載、防水にも対応 11万9800円から
-
9
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
10
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR