地球外生命体の次は、星のかけらを探してみませんか――?
カリフォルニア大学バークリー校が、数百万光年かなたの星から生まれた微粒子をインターネットで探す「Stardust@home」プロジェクトを発表、参加を呼び掛けている。
同校は先月、ホームPCユーザーのCPUパワーを使って地球外生命体を探索するSETI@homeプロジェクトを終了したばかりだ(12月19日の記事参照)。
Stardust@homeでは、インターネットユーザーは、米航空宇宙局(NASA)の宇宙船Stardust号が採取した宇宙塵の超微細な粒子を探すのを手伝う。Stardust号は1月15日に帰還する予定だ。
Stardust号のメインミッションは、すい星Wild 2の尾の塵を採取することだったが、遠く離れた恒星の塵――おそらくは1000万年弱前の超新星の爆発でできたものだろう――も少し採取した。
バークリー校はNASAとPlanetary Societyの協力を受けて、誰でもインターネットを使って、宇宙塵を捕らえたエーロゲル(粘着性固形シリコン)の写真を調べられる「バーチャル顕微鏡」を開発した。この顕微鏡は塵を加速させることで、その軌跡をとらえる。写真は150万枚あり、それぞれの写真は塩の一粒よりも小さな面積をカバーする。
「20〜30年前はたくさんの人を雇って顕微鏡をのぞかせていたが、われわれは自動化された顕微鏡を開発した。トレーニングとテストを受けたボランティアに探索してもらいたい」とバークリー校上級フェローのアンドリュー・ウェストファル氏は発表文で述べている。
このWebベースのバーチャル顕微鏡は3月半ば、ヒューストンのジョンソン宇宙センターのクリーンルームでの精査が完了する前に公開される。画像に少なくとも4回目を通すには、全部で約3万人時間が必要だという。
Stardust@homeに参加するボランティアは、幾つかのサンプルで軌跡を見つけるテストを通過しなくてはならない。
4人のボランティア中2人以上が画像の中に粒子の軌跡を見つけたら、確認のために100人以上のボランティアにその画像を調べさせる。それで20人以上が軌跡を報告したら、軌跡を見つけるのに長けたバークリー校の大学生が確認を行う。最終的には分析のためにその粒子を抽出し、発見者はその粒子に名前を付けることができる。
粒子の分析により、超新星、赤色巨星、中性子星など、宇宙塵、そして炭素や窒素といった生命に必要な重元素を生み出す恒星の内部プロセスが明らかになるとウェストファル氏は期待している。
このバーチャル顕微鏡は、SETI@homeプロジェクトのディレクターだったデビッド・アンダーソン氏らが開発した。バークリー校ではこの顕微鏡を使って学生に太陽系の起源を教えるための教師向けガイドを作成しているところだという。
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