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» 2006年01月13日 14時38分 UPDATE

「ブログが営業マン」――ギャル革命、メジャーデビュー (1/2)

20歳でギャルで、歌手で社長の藤田志穂さんは、2月にエイベックスからメジャーデビューする。ブログが広告となり、仕事がどんどんやってくる。

[岡田有花,ITmedia]

 1年前までガングロギャルのフリーターだった藤田志穂さん(20)は今、4人の正社員を抱える「シホ有限会社G-Revo」の社長にして、エイベックスに所属するアーティストsifow(シーフォー)でもある。社長業と歌手業に加え、雑誌モデルやテレビ出演、コラムの連載――スケジュールは毎日ぎっしり詰まっている。仕事を運んでくるのは、「ギャル革命」を広めようと昨年1月に始めたブログだ。

photo 「今も昔も『ブログがすべてだった』ですよ」と志穂さん

 見た目はギャルながら高校は皆勤賞。卒業式の答辞も読んだという志穂さんだが、ギャルファッションでいるだけで「バカっぽい」とか「だらしない」と判断されることに対して反発を感じてきた。一昨年末、ギャルのイメージに革命を起こそうと起業を決め、翌1月にブログを始めた(関連記事参照)

 「悪いギャルばかりじゃない。ギャルでもやればできるんだ」――革命の目標は、自分で起業した会社で歌手になるという夢を叶えることで、迷ったり悩んだりしている人の背中押しができる存在になること。そして、誰もが夢を見付けられる学校を設立することだ。

 ブログはギャル革命を広める1つの手段だったが、その力は予想を超え、革命を加速した。見知らぬ人からのコメントに勇気をもらい、起業のノウハウやネット活用法を教わった。昨年4月に起業できたのも、ブログの力によるところが大きい。

photo ブログ「ギャルの革命」。最近、自力でデザインを変えられるようになった

 当初は慣れないスーツを着て営業に出向き、ギャル革命を広げようと歩き回っていた。5月にブログがメディアで相次いで紹介されると、仕事が向こうからやってくるようになった。「ブログが営業マンなんです」

 登録したブログランキングは常にトップ。1エントリーあたり数十〜数百のトラックバックが新たな読者を連れてくる。ネットメディアに載ったブログの紹介記事を見て、テレビや新聞、雑誌が取材に訪れる。番組や記事でギャル革命を知った人達がブログを検索し、「一緒に何かやりませんか」とメールをくれる。彼らと会って話すうち、新たな企画が具体化する。

 ギャル向けケータイサイト「livedoor ギャル」や、ダンスゲーム「Ryzme」への楽曲提供、「ときめきメモリアルOnline」βテストへの参加、書籍の出版、「GyaO」での映像ブログ公開、夢についての講演――次々に舞い込む仕事はほぼ100%、ブログ経由だ。

 スケジュールはびっしり。食事する暇もない日もあるし、終電を逃して会社のソファーで眠ったり、近所の友人の家に泊まる日も多い。

 それでもブログは休まない。更新ペースは3日に1回ほど。忙しくなるほど、伝えたいことが増える。執筆時間は移動中。ケータイに下書きしてPCに転送するか、スタッフにメールしてアップしてもらう。山ほどの思いを、読みやすい長さの文章にどう縮めるか、いつも悩む。

 ブログへのコメントは全部読む。温かいコメントに励まされ、力をもらう。批判コメントは、どんな内容でも素直に受け入れようとする。「厳しいコメントは気づきのきっかけになる」から、傍から見ると「荒らし」にしか感じられないコメントからも何かを学ぼうとする。コメントに教えられ、事業のやり方を変えたこともある。

photo 以前は1文字ずつ、ゆっくりとしか入力できなかったPCだが、今はブラインドタッチできる

 最近、動画対応デジカメを手に入れ、ブログに動画を張り付けられるようになった。「動画の方が、隅から隅までリアルに、コンパクトに伝えられると思う」。以前のように、全コメントにレスを付けることはできなくなったが、その分、伝え方にこだわる。見た目で誤解されやすいだけに、誤解のない、分かりやすい表現にしようと知恵を絞る。

 ブログを“活用”しているつもりはない。ブログ活用法の講演を頼まれるといつも、ギャル革命の話ばかりしてしまう。「ギャル革命あってのブログ。私がもしギャル革命なしでブログを書いたとしたら、ただの日記になっちゃう」

エイベックスでもギャル革命

 「ギャル革命が根本にある。それに結び付けばいい」――受ける仕事はすべて、ギャル革命のため。エイベックスと昨年末に結んだアーティスト契約も、ギャル革命を世界中に伝えるための一歩だ。

photo エイベックスのsifow公式サイト

 実は夏ごろから、複数のメジャーレーベルに契約を勧められていた。エイベックスもその1つ。松浦勝人社長から直々にオファーが来た時は嬉しかったが、すぐにイエスと言えなかった。大手レーベルに所属すると、ブログや音楽のテーマが縛られて、ギャル革命がおろそかになってしまうのではと不安だったためだ。

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