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Tablet PCをお絵かき板やリモコンに――慶大などが実証実験

» 2006年02月27日 19時58分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 ユビキタス社会のネットワークシステムを考える産学共同の「ubilaプロジェクト」は2月27日、研究成果を公開する実証実験拠点「uPlatea」を都内に構築した。Tablet PCで作った多機能端末や、デジタルカメラ風端末をリモコン代わりに使うネットワークシステムなどを体験できる。

 同プロジェクトは総務省の委託事業で、慶応義塾大学やNEC、富士通、KDDIなど6組織が参加し、今年で4年目。uPlateaで研究成果をさまざまな人に体験してもらい、課題を探る。

 展示のメインは「u-Texture」という名の、Tablet PCとRFIDリーダー、傾きセンサーなどを組み合わせた端末。単体でも、複数台を組み合わせても利用でき、組み合わせ方や傾きなどによって機能が変化する。2台組み合わせて壁に貼り付ければお絵描き用ディスプレイになり、1台を寝かせ、1台を立てて置けば音楽プレーヤーになる――といった具合だ。

画像 u-Texture。単体なら、ネットワーク家電のリモコンとして利用できる
画像 壁に貼り付けるとお絵かき板に。上の端末で描いた画像は、無線LAN経由で下の端末に送信される
画像 寝かせたu-TextureにICタグ付きCDを置くと、センサーで検知。立てたu-Textureに曲名を表示して、あらかじめ取り込んでおいた楽曲データを再生する

 「VAIO Type U」とネットワークカメラを組み合わせ、デジタルカメラ風に仕上げた端末「u-Photo」で、ネットワーク家電を操作する実験も行っている。マーカー付きのネットワーク家電を撮影すれば、画像認識でマーカーを検出。対応する家電の操作画面を表示する。操作は無線LAN経由で行う。

画像 u-PhotoでDVDレコーダーを撮影すれば、u-Photoからレコーダーを操作できる
画像 部屋にとけ込むデザインの顔認証システムも展示。黒い部分に顔認証用カメラを組み込んである。頭上の赤外線センサーで人物を探知すると、白いライトが点灯してカメラが作動。認証作業を行う

 uPlateaは見学を受け付けており、希望者はメールで申し込める。同プロジェクトは今後、屋外でも実証実験を行うなどして、実用性を検証していく。

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